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新刊紹介 (51巻2号(202号)掲載分)

「新刊書目」の一部について、簡単な紹介をしています。(価格は本体価格)

西崎亨著『訓点資料の基礎的研究』

 訓点資料に関する既発表論文のうち,資料の基礎的な情報を提供するものを集めて一書となしたものである。仏典に関わるものには「天理図書館蔵『三教指帰』二本二題」の他8編,漢籍に関するものには「文明本『節用集』所引『三略』の訓点 ――群書治要本三略との比較――」の他9編,音義に関するものには「唐招提寺所蔵『音義断簡』について」の他2編がある。記述内容は,論文によって違うが,訓点資料全体についての解読,仮名字体表,ヲコト点,傍訓,義注,音韻,語彙,語法などの諸点について資料の性質に沿って記述し,その実態を明らかにしようとしている。

(1999年12月10日発行 思文閣出版刊 A5判縦組み 542頁 18000円)

 ◆53巻2号(209号)に書評を掲載

吉田彌壽夫先生古稀記念論集編集委員会編『日本語の地平線 吉田彌壽夫先生古稀記念論集』

 本書は,大阪外国語大学・桃山学院大学をはじめとして,様々な形で吉田彌壽夫氏に教えを受けた人々が,各々の現在の研究成果を発表し,古稀記念論集としたものである。巻頭には「普遍文法への幻想」(吉田彌壽夫)を載せる。全体は,大きく,「第1部 日本語教育」と「第2部 日本文学・日本文化論」に分かれる。第1部には,「地域における日本語教室の課題」(足立祐子)を含む,教育関係の論文が20編と,「「そうだ」(様態)についての考察 ――談話での表現を中心に――」(澤西稔子),「機能シラバスから見た使役表現 ――「車をなおす」をめぐって――」(下田美津子)を含む言語関係の論文が14編収められている。第2部には,「「手向草」について ――『新古今注』を中心に――」(大西美穂)を含む8編が収められている。

(1999年12月20日発行 くろしお出版刊 A5判横組み 531頁 4200円)

橋本萬太郎著作集刊行会編『橋本萬太郎著作集第1巻 言語類型地理論・文法』

橋本萬太郎著作集刊行会編『橋本萬太郎著作集第2巻 方言』

 中国語を専門とした橋本萬太郎氏の論文や著書を著作集の形に編集したものである。第1巻には,「言語類型地理論」を中心とし,「中国語の特色 ――音韻と方言」「自然言語の類型論と系統論」「Collected Papers on the Geographical Typology of Asian Languages」などの論文(集),さらに波動状拡散説を中国語に適用した「Linguistic Diffusion of Chinese Tones ――Observations on the Latitudinal and Longitudinal Developments of Chinese Syllabic Intonations」などの論文,そして文法論として「The Internal Structure of Basic Strings and Generative Treatment of Transitive and Intransitive Verbs」などの論文を収める.第2巻には,中国の各方言(晋語,客家語,粤語,海南語,東干語)をめぐる論文・随筆・書評紹介などが収録されている。

(第1巻:2000年1月20日発行 内山書店刊 B5判横組み 528頁 19000円)

(第2巻:1999年11月20日発行 内山書店刊 B5判横組み 624頁 21000円)

飛田良文・李漢燮編『ヘボン著和英語林集成 初版・再版・三版対照総索引』第1巻 索引編和英の部[A〜K]

 本書は,ヘボン著『和英語林集成』の初版(1867.5),再版(1872.7:初再とも,日本横浜梓行,上海 American Presbyterian Mission Press 印刷),三版(第1種本)(1886.10:丸善商社書店)の全収録語の見出しを対照にした索引である。原本の影印を対照させていること,三版にこれまで公刊されたことのない飛田良文氏所蔵本を用いていることなどが本書の特徴である。この第1巻は和英の部[A〜K]である。なお,第2巻和英の部[M〜Z],第3巻英和の部[A〜Z]の出版が予定されている。

(2000年1月20日発行 港の人刊 A4判横組み 669頁 25000円)

田中茂著『津軽木造新田地方の方言』

 本書は,津軽木造新田地方方言の語彙を50音順の辞書的形式によって示したものである。ただし,見出しは,単語のほか複合的な形式における部分にも注意して立てられているので完全な50音順ではない。たとえば,「ア」の項は,「ア」,「ンダァナ」「コマルァナ」の順に記述が続いている。記述例として,「コマルァナ」の項を挙げると,【意味】困るのかい【原形】こまる+だ+な【品詞】「コマル」動詞・連体形/「ア」断定助動詞「ダ」終止形/「ナ」終助詞【アクセント】コ○マ●ル●ァ●ナ○【活用】「ダ」の項【音韻】「ア」は,断定助動詞「ダ」の子音が脱落したもの。【接続関係】「ンダァナ」の場合と同じ【その他】「吾ダナ」などの例では,「ア」と転化しない。その他は,「ンダァナ」の場合と同じ【用例】コノママネシテオケバコマルァナ(このままにしておくと何か困るかい),というようになっている。見出し語数は約1300である。

(2000年2月15日発行 青森文芸協会出版部刊 A5判縦組み 509頁 9000円)

桜井茂治著『日本語の音・考 ――歴史とその周辺――』

 本書は,既発表の論考と書き下ろしの論考とを一書にまとめたものである。全体は大きく3部に分かれる。第1部は「論考篇」で,アクセントの成立と歴史に関した論が並ぶ。具体的には,「日本語アクセント史における「類別」の諸問題私見」などのアクセント成立論を扱ったものや,「『名語記』声点考」や「日本語アクセント史の時代区分」などのアクセントの歴史を扱っているもの,「助詞「の」のアクセント史再考」「短歌の字余り論再考 ――4つの論文を読んで――」「「平曲」と日本語の旋律」などさまざまな主題を持つものによって構成されている。第2部は「総論篇」で,「日本語旋律史論」「日本語の〈すがた〉と〈かたち〉」の2編からなる。第3部は「日本語研究史の周辺」で,書評・紹介,学界展望が収められている。

(2000年2月25日発行 おうふう刊 A5判縦組み 712頁 68000円)

 ◆54巻1号(212号)に書評を掲載

丸田忠雄・須賀一好編『日英語の自他の交替』

 1998年11月の第16回日本英語学会大会のワークショップを契機としてまとめられた論文集。その4人の発表者のほか,3人の寄稿を得て,9編の論文を収める。Levin and Rappaport Hovav『Unaccusativity: At the syntax lexical semantics interface』Cambridge, Mass: MIT Press 1995 と,須賀・早津編『動詞の自他』(ひつじ書房 1995)がそれぞれ英語学・日本語学での自他交替研究の区切りだと考えられるが,本書ではそれらを踏まえ,「日英語の枠を越えた,新たな視点による様々な分析が提示されている」と編者は記している。論文題目・執筆者は,「動詞クラスモデルと自他交替」(小野尚之),「自他交替の意味的メカニズム」(影山太郎),「非対格性再考」(岸本秀樹),「日本語動詞の自他対応における意味と形態との相関」「他動詞形を派生する要因としての意味と形態 ――「照らす」と「化かす」――」(須賀一好),「自他交替と形態論」(西山國雄),「日本語における他動性/二重他動詞ペアと日英語の使役交替」(松本曜),「動詞の語彙意味鋳型と語彙の拡張 ――walkを例に――」「場所格交替動詞のLCSと使役交替」(丸田忠雄)である。

(2000年2月25日発行 ひつじ書房刊 A5判横組み 264頁 5000円)

高山寺典籍文書綜合調査団編『明恵上人資料第5』

 本書は高山寺資料叢書の第20冊目(第3期第3冊)に当たる。既刊『明恵上人資料第1〜第4』では伝記類・聞書類・著作類・関係典籍目録類などが収録されていたが,本書はこれを承け,著作・目録が収録されている。全体は2部に分かれている。第1部には,「華厳修禅観照入解脱門義」「華厳信種義」(担当:奥田勲・柳田征司・土井光祐)が収められており,それぞれ凡例・影印・訳読文・解題(奥田・柳田)が載せられている。また,「『華厳修禅観照入解脱門義』及び『華厳信種義』の講義とその聞書」(土井)が収録されている。第2部には,「羅漢供式」(担当:石塚晴通・山本真吾・大槻信),「上人所作目録[付]栂尾上人御製作目録」(担当:末木文美士・矢田勉)が収められており,それぞれ凡例・影印・翻刻・解題(「羅漢供式」の書誌解題は石塚,内容解題は山本,「上人」の解題は末木・矢田)が載せられている。

(2000年2月25日発行 東京大学出版会刊 A5判縦組み 440頁 24000円)

山田進・菊地康人・籾山洋介編『日本語 意味と文法の風景 ――国広哲弥教授古稀記念論文集――』

 本書は国広哲弥氏の古稀を記念して編まれた論文集である。編者は,現代日本語の意味に重点を置いた論文集作りを意図し,「意味を志向した論考を書いていただくよう」に執筆者に依頼したとのことである。その結果,扱われている分野は「語の意味の分析・記述」「比喩」「文の意味タイプ」「動詞の類型」「関係節の意味」「構造的多義」「韻律と意味」など,多様な中にも統一性のある論文集になっている。論文は「「いい」の意味論 ――意味と文脈――」(山田進),「相互作用説に基づく隠喩モデル」(鈴木敏昭),「二つのタイプの指定文」(西山祐司),「「教える/教わる」などの他動性/二重他動詞ペアの意味的性質」(松本曜),「いわゆる主要部内在型関係節の名詞性と副詞性」(堀川智也),「名詞「もの」の多義構造 ――ネットワーク・モデルによる分析――」(籾山洋介),「文末に現れるジャナイの用法と韻律の分析をめぐる問題について」(御園生保子)を含む24編。巻末に「国広哲弥教授業績一覧 1990年3月以降」を収める。

(2000年2月29日発行 ひつじ書房刊 A5判横組み 362頁 6000円)

近藤泰弘著『日本語記述文法の理論』

 本書は,既発表の論文に改編・加筆をし,さらに書き下ろした論文を加えて一書としている。まえがきで,特定の言語理論に依拠せず,伝統的文法と大きく相違がなく,古典語・現代語の両方に適用でき,実際の用例から帰納された,言語学習に直接に役に立つような文法体系を目標とすると述べている。構成は,全10章を5部に分けている。「第1部 総論」には「第1章 日本語の記述文法」を収め,文法の記述のありかた・過去の研究・展望について述べている。「第2部 方法論」では「第2章 コンピュータを使った研究」「第3章 歴史的変化を考慮した研究方法について」を論じている。「第3部 単文の文法」には「第4章 格と格助詞」「第5章 用言とその周辺」「第6章 副助詞と係助詞」,「第4部 従属節の文法」には「第7章 連体と名詞節」「第8章 接続」,「第5部 主観表現の文法」には「第9章 モダリティ」「第10軍 ダイクシス(敬語・指示・人称)」の各論考がある。

(2000年2月29日発行 ひつじ書房刊 A5判縦組み 651頁 19000円)

 ◆53巻2号(209号)に書評を掲載

坂本清恵著『中近世声調史の研究』

 本書は,筆者が1998年に早稲田大学大学院に提出した博士論文に,2編の論文を加えて一書としたものである。「第1部 歌書および仮名遣書に現れる声調の問題」には,「京大本『古今秘注抄』における定家仮名遣い」「中院通茂の声点注記について」「契沖の声点注記について」「契沖の四声観と定家仮名遣い批判」を収める。「第2部 能・謡曲に反映する声調の研究」では,世阿弥の言語形成期にはアクセントの体系変化が終わっていたことを明らかにしている。「第3部 浄瑠璃に反映する音声についての研究」では,初期の義太夫節や,浄瑠璃物譜本などを検討し,近世大阪アクセントを解明を試みている。「第4部 体系変化の前後におけるアクセント体系について」では,アクセントの体系変化によってどのくらいの語が変化を起こしたかを『日本語アクセント史総合資料 索引篇』(東京堂出版 1997年)掲載の語について数量的に探ったものである。

(2000年2月29日発行 笠間書院刊 A5判縦組み 478頁 16000円)

 ◆52巻2号(205号)に書評を掲載

室町時代語辞典編修委員会編『時代別国語大辞典 室町時代編4』

 『時代別国語大辞典 室町時代編1』(1985),『同2』(1989),『同3』(1994)に続く,第4巻である。「つ」から「ふ」の項を収録してある。なお,凡例・内容・主要出典一覧などの基本的な情報は第1巻にあり,第4巻には項目のみが収められている。第5巻(最終巻)の刊行が来年に予告されており,完結も間近い。

(2000年3月10日発行 三省堂刊 B5判縦組み 1052頁 45000円)

内間直仁・新垣公弥子著『沖縄北部・南部方言の記述的研究』

 琉球方言は,島・村ごとに違いがあるとも言われるほど多様性を持つ。したがって,各個別方言の記述的研究が重要である。本書では,沖縄本島の未調査地域である,北部の国頭地域の奥方言,辺野喜方言,南部の那覇市前島方言,さらに離島の渡嘉敷方言,の4地点において,音韻・活用・助詞などの各分野について行った調査の結果を報告している(第1章 音韻,第2章 活用,第3章 助詞)。さらに,「第4章 比較研究」で,「第1節 琉球方言からみた〈が〉〈の〉の変遷」「第2節 沖縄方言における〈ガ〉〈ヌ〉」「第3節 親族語彙」の各節において,それぞれの課題に対する考察をしている。「第5章 語彙比較表」では,上記4地点の他に,既に調査した17地点の資料を加え,「会う」から「脇」まで890の単語に関して,各地域でどのように言うかを音声表記によって示している。

(2000年3月15日発行 風間書房刊 A5判横組み 487頁 18000円)

茅島篤著『国字ローマ字化の研究 ――占領下日本の国内的・国際的要因の解明――』

 本書は,占領下日本における国語改革政策形成について,発掘資料を含む1次資料をもとに,国語改革をめぐる歴史的な事実や人物の動向の正確な把握,戦前および占領期前後の国語改革の位置づけを目指したものである。章立ては以下のようになっている。「第1部 米国側の対日国字ローマ字化」「第2部 米国対日教育使節団の国語改革勧告と日本側の対応」「第3部 米国対日教育使節団の国字ローマ字採用勧告への影響要因」「第4部 ロバート・K・ホールと国字ローマ字化」「第5部 戦前の日本と世界の言語簡易化,音標文字・ローマ字化の動向」。また,前後に序章・終章のほか,「付録 資料編」として,戦後初期の国語改革年表,米国対日教育使節団報告の「国語改革」(1946年・1950年),ロバート・キング・ホール「戦後日本の発展における教育」が収められている。

(2000年3月15日発行 風間書房刊 A5判縦組み 326頁 8800円)

山口康子著『今昔物語集の文章研究 ――書きとめられた「ものがたり」――』

 本書は,今昔物語集の文章の性質を明らかにし,日本語の歴史における位置づけを試みようとして書かれた論文を基にして編まれたものである。「序章 文章研究の立場と方法」では,伝本・諸本に対する基本的姿勢,分析の視点を述べる。「第1章 文章研究の手がかりを求めて」では,古事記や平安和文を対象として,文および文章研究の特徴を考察している。「第2章 今昔物語集の用語」では,「スナハチ・ユメ・ヒカリ・イノル・アツカフ」などの具体的な語を通しての考察を行う。「第3章 今昔物語集の修辞法」では,引用や強調といった修辞法,変体漢文による説話題の表現について分析する。「第4章 今昔物語集の文章の構造」では,特に引用構造に目を向け,引用の類型を2種7類に分類し,引用形式をどのように使ったかが文章の性格を左右するとしている。「終章 今昔物語集の文章の性格」には,全体のまとめが記されている。

(2000年3月18日発行 おうふう刊 A5判縦組み 793頁 28000円)

秋山虔編『王朝語辞典』

 本書は,王朝文学の作品を読み解く際に重要と考えられる語彙・事項など500項目を取りあげ,1項目1ページで記述したものである。各項目は50音順に並べられている。試みに「あ」の項目を冒頭からいくつか眺めると,「愛・あいなし・赤・明石・暁・秋・悪・飽く・あくがる・あさがお…」というような見出しが見られる。記述内容は,基本的な意味・王朝期特有の用法・関連語・(歌ことばの場合には特に)連想性,などとなっている。巻頭には分類別索引,巻末には王朝語索引を載せる。なお,本書はもともと秋山虔氏の古稀を記念する構想から始まったものであるとのことである。

(2000年3月25日発行 東京大学出版会刊 A5判縦組み 502頁 6800円)

西田龍雄著『東アジア諸言語の研究1 巨大言語群 ――シナ・チベット語族の展望――』

 漢語(中国語),チベット語,ビルマ語,タイ語などを中心としたシナ・チベット語族の系統・構造について叙述し,概観を述べている本である。章立ては「序章 アジアの言語地図」,「第1章 漢語の形成」(「第1節 漢代の言語調査とその記録」「第2節 漢語の成立」「第3節 現代漢語の世界」),「第2章 タイ語系の言語とその系統」(「第1節 タイ語系統論」「第2節 タイ系言語の歴史と分布」「第3節 タイ系言語の比較研究と新言語の出現」「付記 新発見の泰語支言語の概況」),「第3章 ロロ・ビルマ語支の言語とその発展」(「第1節 ロロ・ビルマ語支の諸言語」「第2節 ロロ系諸言語の系統」)となっている。

(2000年3月25日発行 京都大学学術出版会刊 A5判横組み 339頁 9000円)

戸谷高明著『古事記の表現論的研究』

 本書は,『古事記』を表現論の観点から論じた諸論文をまとめて一書としたものである。全体の構成は,3部からなっており,第1篇には,「古事記表現論」「用字用語の表現」などをはじめとして,「表現」に関する基礎的な問題を論じた全7章の論文を収める。第2篇には「「状」の用法」「「能く」の用法」などを含む,具体的に文字の用法について述べた全12章の論文を収める。第3篇には,「二神の「うけひ」神話 ――記紀における原伝の問題――」「古事記の漢語表現」など,何らかの形で表現に及んでいる全15章の論文を収める。巻末に初出一覧がある。

(2000年3月31日発行 新典社刊 A5判縦組み 622頁 14500円)

国立国語研究所編『日本語とスペイン語(3)』

国立国語研究所編『日本語とポルトガル語(2)』

 日本語と外国語との対照研究シリーズの6として『日本語とスペイン語(3)』,7として『日本語とポルトガル語(2)』が出版された.両書とも国立国語研究所日本語研究センター第2研究室で進められてきた研究である.前者は,1997年からの第3期研究課題「日西対照研究 ――動詞とその周辺――」の報告を載せる。内容は,「1.研究」には「日西対照研究 ――動詞とその周辺――:序論」(藤井聖子),「日本語とスペイン語の拡大活用論」(野田尚史),「活用と統語 ――日本語とスペイン語との比較から」(青山文啓),「〈ester+過去分詞〉と〈テイル文〉 ――結果相解釈をめぐって――」(高垣敏博),「連結数量詞と事象計算機能」(三原健一),「日本語の授与補助動詞とスペイン語の与格接語」(上田博人),「日西モダリティ対照研究序説」(福嶌教隆),「依頼のポライトネス ――日本の大学生とメキシコの大学生――」(大倉美和子)を収める。「2.教材・文献紹介」には,「スペイン語話者のための日本語教材概説」(大倉),「国内刊行のスペイン語学関連書(近年)」(福嶌・高垣・上田),「日西対照研究文献リスト」(福嶌)を収める。後者は第2期の研究課題「ブラジル人と日本人の接触場面」の報告を載せる。「ブラジル人と日本人の接触場面:序論」(藤井)に続いて,「在日ブラジル人の社会・文化生活 ――神奈川県綾瀬市を中心に――」(三田千代子),「在日ブラジル人のポルトガル語に見る日本語からの借用語」(河野彰),「日本語とポルトガル語の先行性アスペクトをめぐる考察」(太田亨),「在日ブラジル人就労者の言語行動概観 ――日本語使用を中心として――」(エレン・ナカミズ),「在日日系ブラジル人と日本人との接触場面の一分析 ――コミュニケーション・ストラテジー再考――」(藤井),「日系人の言語接触と言語理解について ――群馬県太田市の場合――」(柳澤好昭),「日系ブラジル人児童・生徒の言語生活と日本語教育」(野山広),「日本語学習支援ボランティアの「学び」 ――ある地域ボランティアの事例から――」(文野峯子)を収める。

(日本語とスペイン語(3):2000年3月27日発行 くろしお出版刊 A5判横組み 326頁 3500円)

(日本語とポルトガル語(2):2000年3月31日発行 くろしお出版刊 A5判横組み 352頁 4200円)