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新刊紹介 (『日本語の研究』第2巻1号(通巻224号)掲載分)

「新刊書目」の一部について,簡単な紹介をしています。なお,論文集等については,論文リストを添えるなど,雑誌『日本語の研究』掲載分と一部異なる点があります。(価格は本体価格)

鎌田修・筒井通雄・畑佐由紀子・ナズキアン富美子・岡まゆみ編『言語教育の新展開―牧野成一教授古稀記念論集―』

牧野成一氏の古稀を記念した論文集である。論文の分野は、牧野氏の研究活動を反映した幅広いものとなっている。全体は4章に分かれている。第1章「言語学」には、大曽美恵子、ジョンソン由紀、筒井通雄、マグロイン花岡直美、泉子=K=メイナード、井上和子、久野?ワ、中田清一による計8編、第2章「言語教育・習得論」には、三浦昭、浜野祥子、藤原雅憲、ナズキアン富美子、岡まゆみ、ハドソン遠藤陸子、富田英夫、畑佐一味、當作靖彦、坂本正、畑佐由紀子による計11編、第3章「OPI」には、鎌田修、渡辺素和子、石川智による計3編、第4章「継承語教育」には、岡崎眸、岡崎敏雄、中島和子、森美子による計4編、合計で26編の論文が収められている。なお、巻頭に「牧野成一先生の略歴」を載せている。

題名・執筆者・キーワードは以下のようになっている。

(2005年1月20日発行 ひつじ書房刊 A5判横組み 446ページ 8,000円+税 ISBN 4-89476-224-2

バジル・ホール・チェンバレン原著・山口栄鉄編訳/解説『琉球語の文法と辞典―日琉語比較の試み―』

本書は『日本アジア協会紀要』23巻補遺の「Essay in Aid of a Grammar and Dictionary of the Luchuan Language」(1895)を完訳したものである。この原著は、琉球語(あるいは日琉比較)における先駆的観察・分析・記述であり、これまで部分訳はあったものの完全な形では訳されていなかった。内容は、文法編と辞典編に分かれる。文法編は、音声組織の章を含み、各品詞別の論、統語論と続く。補説として「琉球語より観た日本語動詞活用の起原」、さらに「日琉語文例」として、あいさつ、慣用句、会話例、ことわざが示され、さらに歌劇の対訳が収められている。辞典編は、例えば「AKA-TSICHI 明け方、夜明け 恐らく文字通りには赤い時(日。aka-toki?に対するaka-tsuki)」のような簡単な記述で書かれている。巻頭には「解説 チェンバレンの琉球・琉球語研究」、巻末には「チェンバレン年譜」「主題索引」を付す。

目次は以下のようになっている。

(2005年2月25日発行 琉球新報社刊 A5判横組み 328ページ 3,048円+税 ISBN 4-89742-065-2

山口佳紀著『古事記の表現と解釈』

前著『古事記の表記と訓読』(有精堂 1995年)に続き、従来の意味解釈を検討しながらどう訓読するべきかを探究したものである。前著では、散文部が中心であったが、本書では、さらに歌謡部の問題に踏み込んでいる。第1章「『古事記』の書記様式と訓読」では、散文部と歌謡部の差異について考え、安易に歌謡部の読みを散文部に適用すべきではないとする。他に、散文部の補読の問題、「者」の訓読の問題などを扱う。第2章「『古事記』散文部の表記と解釈」では、全体の表記傾向を考慮した校訂や訓読の必要性を論じる。第3章「『古事記』歌謡部の語詞と解釈」では、稀例・孤例の場合、解釈するにあたり帰納的な手法が使えないが、それをどうするかという問題を個々の例に即して考察する。第4章「『古事記』歌謡の読み方」は、散文と歌謡が一体となった文脈を押さえながら歌謡を解釈していくという試みである。第5章「『古事記』『日本書紀』の諸問題」には、記紀に関わる様々な論が収められている。

章立ては以下のようになっている。

(2005年2月28日発行 風間書房刊 A5判縦組み 450ページ 12,000円+税 ISBN 4-7599-1500-1

沖森卓也・佐藤信・矢嶋泉著『上宮聖徳法王帝説―注釈と研究―』

厩戸王(聖徳太子)に関する系譜・事跡などをまとめた史料の影印・原文・校訂本文・訓読・注釈、および関連論文を収載したものである。語学・史学・文学と専門を異にする学者による共同研究の成果である。校訂本文・訓読・注釈にあたっては、最新の研究成果が取り入れられている。研究編には、「『上宮聖徳法王帝説』にみえる厩戸王」(佐藤信)、「『上宮聖徳法王帝説』の構造」(矢嶋泉)、「『上宮聖徳法王帝説』の万葉仮名表記」(沖森卓也)が収められている。沖森論文では、万葉仮名の表記を検討したうえで、この史料には様々な年代の表記が混ざっていることを指摘し、言語資料として扱う際には注意が必要だと述べる。

内容は以下のようになっている。

(2005年3月1日発行 吉川弘文館刊 A5判縦組み 205ページ 6,500円+税 ISBN 4-642-02436-0

清水教子著『平安後期公卿日記の日本語学的研究』

本書は『御堂関白記』、『権記』、『小右記』を対象とし、そこに現れる語彙、語法、表現上の特徴について述べたものである。序章では、資料の性質、研究の目的、方法、意義を記す。第1章「公卿日記に見られる副詞」には、「極(メテ)」、「しはらく」など特定の語の研究、さらに情態副詞、程度副詞などについての調査研究を収める。第2章「公卿日記に見られる接続語」では、原因・理由を表す接続語を中心に、その機能・用法を記述する。第3章「公卿日記に見られる語彙の特徴」では、「同」字、「時」の表現、類義語について述べる。また、和文との語彙比較をする。第4章「公卿日記に見られる諸表現」では、感情表現、病気・怪我に関する表現など、特定のテーマについての表現を扱う。終章では、今後の課題について述べている。

章立ては以下のようになっている。

(2005年3月28日発行 翰林書房刊 A5判横組み 475ページ 12,000円+税 ISBN 4-87737-208-3

武内道子編『副詞的表現をめぐって―対照研究―』

神奈川大学言語センターの共同プロジェクトの成果を発表した論文集である。日本語を主な対象とした論文は、時の副詞節に関する統語構造上の位置づけを扱う「時の副詞節と時間項の統語構造」(佐藤裕美)、「ル・タ=完成相、テイル=継続相」とする説に反対の立場をとる「アスペクト認知と語義 」(国広哲弥)、露日の対照研究である「ロシア語・日本語の結果期間を表す副詞表現とアスペクト」(堤正典)、「しょせん」と「どうせ」を「認知効果」に注目して分析する「関連性への意味論的制約」(武内道子)、文接続詞の談話レベルにおける類別を行う「接続詞と主題フォルダの関係について」(浅山佳郎)、英語との対照を通して考察した「副詞の視点から見た感情を表す音象徴語」(羽佐田理恵)の6編で、さらに「英語の文頭副詞類の機能について」(岩畑貴弘)、「時間的な意味が感じられない用法のencore」(西野清治・ Nicolas GAILLARD)、「『論語』における時態副詞と時態語気詞の呼応」(望月真澄)、「副詞と視点―英字新聞の一研究―」(岩本典子)を加えた計10編を収める。

題名・執筆者・キーワードは以下のようになっている。

(2005年3月31日発行 ひつじ書房刊 A5判横組み 252ページ 4,200円+税 ISBN 4-89476-258-7

王志英著『命令・依頼の表現―日本語・中国語の対照研究―』

形態的な特徴が少ないと言われている中国語の命令・依頼表現に関して、いくつかの具体的な現象を取りあげ、語用論的観点・対人機能などの点から分析を行ったものである。また、日本語との対照を行い、両語の命令・依頼の違いを明らかにしようとしている。第1章「序論」で立場・方法を述べ、第2章「命令・依頼の表現における機能の定義」で、話し手などの構成要素について、さらには命令などがどのようなものであるかについて、整理する。第3章「動詞をめぐる命令・依頼の表現のアスペクト的・語用論的解釈」では動詞の重ね型の分析を行っている。第4章「形容詞と命令・依頼の表現」では形式上の形容詞の命令について述べる。第5章「命令・依頼の表現におけるモダリティ副詞」では「一定」(中国語)と「ぜひ」「必ず」、さらに「千万」(中国語)と「くれぐれも」の対照研究などを展開する。第6章「中国語の語気助詞「」と日本語の終助詞「ね」」は助詞の対照研究である。第7章「結語」では、モダリティ、丁寧さについて述べる。なお、本書は、京都大学大学院(人間・環境学)に提出した学位論文に若干の補正を加え、出版したものである。

章立ては以下のようになっている。

(2005年3月31日発行 勉誠出版刊 A5判横組み 236ページ 7,000円+税 ISBN 4-585-03130-8

前田富祺監修『日本語源大辞典』

本書は『日本国語大辞典』第2版の「語源説」欄をもとに、整理・新例追加(さらに必要に応じて評価や補足説明)を行い、一書としたものである。見出し語は約6000である。語源について知りたいというときに見る、という使い方のほか、過去においてこの語に関してどのような語源であると人々が考えてきたか(語源推定という謎解きにどれだけの知恵を絞ったか)を知る、という使い方ができる辞典である。記述内容については、見出し、歴史的仮名遣い、漢字などの表記、品詞、語源の定説あるいは通説、語釈、初出文献を挙げる。そのあと、語源説をその典拠と共にいくつか挙げている。典拠については、巻末付録に「語源説 出典の解説」があり、著者名・成立年・内容について説明されている。巻頭には「語源研究の歴史」を載せる。また、漢語・外来語の由来・変遷を解説した「ことばのしおり」、仏教語・女房詞などのテーマ別で解説した「テーマで探ることばの由来」などのコラムが随所にある。

(2005年4月1日発行 小学館刊 A5判縦組み 1273+7ページ 6,000円+税 ISBN 4-09-501181-5

高橋太郎・金子尚一・金田章宏・齋美智子・鈴木泰・須田淳一・松本泰丈著『日本語の文法』

本書は日本語の文法のテキストである。大学の授業のために作成され、日本語教員養成講座の教材としても使われていた高橋プリントに増補・改訂を徐々に加え、まとめあげたものである。著者の日本語文法に対する見方・考え方を簡明に表したものと考えることができる。第1章「文法とはなにか」、第2章「文のくみたて」で基礎的事項を述べ、以下は、名詞、動詞、形容詞、…と品詞別の章立てで進んでいく。ヴォイス・アスペクトなどは動詞の章の一部となっている。第18章でとりたて、第19章でモダリティなど、第20章で終助辞、第21〜22章で、あわせ文(複合文)を扱っている。第23章は、語形変化の手続きに関する形態論を扱っている。

章立ては以下のようになっている。

(2005年4月28日発行 ひつじ書房刊 A5判横組み 300ページ 2,400円+税 ISBN 4-89476-244-7

ダニエル=ロング・橋本直幸編『小笠原ことばしゃべる辞典』

小笠原シリーズの3として出版された見出し語約1400の辞典である(シリーズ1と2は歴史・文化などについての概説書である)。小笠原諸島は元々無人島で、欧米系・太平洋系の人が入植した時期、日本人が入植した時期、戦争激化で内地に強制疎開させられた時期、米軍政下で英語で教育が行われた時期があり、その後日本に返還されたという歴史がある。それを反映して、日本語・英語・混合言語で言語活動がなされており、言語接触という点で興味深い。この辞典では、小笠原で使われている特徴的な言葉を収録している。記述は、見出し・ローマ字表記・品詞・意味分類・意味(日本語と英語)・語源説・実例・その他、となっている。付属CD-ROMには、実例の音声ファイルを収録している。また、「八丈語の文法体系の残存」、「親族名称」等々のコラムが所々に挿入されている。

(2005年5月1日発行 南方新社刊 A5判横組み 364ページ 6,000円+税 ISBN 4-86124-044-1

川上徳明著『命令・勧誘表現の体系的研究』

中古の文学作品に現れた命令・勧誘表現を体系的に研究したものである。序論で、命令・勧誘表現の用例採否基準を挙げる。また、「給へ」を例にとると、「給へ」→「給はむ」→「給はむや」→「やは…給はぬ」の順に命令から勧誘へと変わるという形式の位置づけを行い、他の「給ひぬ」「給ひつ」なども同様の枠組みで捉えるなど、形式を体系としてまとめようとしている。さらに「敬度」「敬度値」「敬度指数」という概念を導入して、敬意度の判定とその数値化を行い、個々の作品を超えた客観的な指数による比較を可能にしている。本論では、『うつほ物語』『落窪物語』『源氏物語』『夜の寝覚』『今昔物語集』につき、命令・勧誘表現に該当する全用例を調査し、数値化によってその作品の特徴を示す。その上で、特定の人物、注意すべき表現について考察する。また、助詞「かし」「よ」「や」などについて述べる。

章立ては以下のようになっている。

(2005年5月13日発行 おうふう刊 A5判縦組み 1028ページ 35,000円+税 ISBN 4-273-03369-0

日本方言研究会編『20世紀方言研究の軌跡―文献総目録―』

本書は、19世紀末から、2001年にかけての方言書・方言論文の文献目録である。『日本方言研究の歩み―文献目録―』(角川書店 1990年)のデータに基づき、さらにその後に発表されたものを取り入れて作成された。また、方言研究のこれからを論じた『21世紀の方言学』(国書刊行会 2002年)の姉妹編でもある。内容は、1行程度で文献の筆者名・書名(論文名)・発行所(所収雑誌・所収単行本名)・発行年月・ページ数などを示すというものである。付録として「言語地図目録」(1994年までのもの)がある。これは『国語学(日本語学)論説資料』に掲載された雑誌論文や、地方史誌に載せられた言語地図のデータである。付属CD-ROMがあり、本書所載のデータが検索することが可能になっている。

(2005年5月20日発行 国書刊行会刊 A5判横組み 981ページ 24,762円+税 ISBN 4-336-04695-6

村上雅孝著『近世漢字文化と日本語』

本書は近世漢文等と日本語との関わりをいくつかの面から考察したものである。訓読に注目して日本における漢字文化の受容について述べた前著『近世初期漢字文化の世界』(明治書院 1998年)では、近世初期における文語資料を扱っていたが、本書では、その後の様々な資料を扱っている。第1章「近世漢字文化と日本語の展開」では、藤原惺窩の文章における上代語・中古語の検討を行う。また、松永昌易の『首書五経集註』の訓点を調査し、林羅山の影響があると指摘する。第2章「荻生徂徠とその言語の世界」では、『訓訳示蒙』『訳文筌蹄』の日本語史資料としての性格や問題点について述べ、さらに徂徠の近代語史上の位置について考える。第3章「朝鮮漢字文化の展開」では、近世漢学における朝鮮漢学研究の影響について『語録解義』を中心に述べる。第4章「中国俗語学の展開」では、唐話辞書の『漢字和訓』『俗語解』『雅俗漢語訳解』を扱い、中国俗語の普及について見ていく。

章立ては以下のようになっている。

(2005年5月25日発行 おうふう刊 A5判縦組み 307ページ 13,000円+税 ISBN 4-273-03387-9

金田一春彦著
『金田一春彦著作集6―国語学編6―』
『金田一春彦著作集7―国語学編7―』
『金田一春彦著作集8―国語学編8―』
『金田一春彦著作集12―随筆編2―』

金田一春彦著作集全12巻+別巻のうちの4冊である。第6巻は『日本語音韻の研究』(東京堂出版 1967年)が中心となっている。他に「連濁の解」などの論文を収める。第7巻は『国語アクセントの史的研究』(塙書房 1974年)、『日本の方言』(教育出版 1975年、増補版1995年)を中心に、ほか3編を収める。第8巻は『日本語方言の研究』(東京堂出版 1977年)が中心で、他に「音韻・アクセントによる日本語の方言区画」など6編の論文を収録。第12巻は、随筆編その2で、『父京助を語る』(教育出版 1977年、補訂版1986年)、『垣通しの花』(音楽鑑賞教育振興会 1980年)など、5冊の単行本から構成されている。

『金田一春彦著作集6―国語学編6―』に含まれている著書・論文は以下のとおりである。

『金田一春彦著作集7―国語学編7―』に含まれている著書・論文は以下のとおりである。

『金田一春彦著作集8―国語学編8―』に含まれている著書・論文は以下のとおりである。

『金田一春彦著作集12―随筆編2―』に含まれている著書・論文は以下のとおりである。

6巻(2005年1月25日発行 玉川大学出版部刊 A5判縦組み 670ページ 8,500円+税 ISBN 4-472-01476-9
7巻(2005年3月25日発行 玉川大学出版部刊 A5判縦組み 693ページ 8,500円+税 ISBN 4-472-01477-7
8巻(2005年5月25日発行 玉川大学出版部刊 A5判縦組み 646ページ 8,500円+税 ISBN 4-472-01478-5
12巻(2004年11月25日発行 玉川大学出版部刊 A5判縦組み 718ページ 8,500円+税 ISBN 4-472-01482-3

佐藤喜代治博士追悼論集刊行会編『日本語学の蓄積と展望』

2003年5月に亡くなった佐藤喜代治氏の追悼論集である。三回忌を期して出版されたという。まず森岡健二、柴田武、築島裕による特別寄稿3編が掲げられ、さらに門下生による22編の論文がジャンル別に収められている。「日本語の動態」には、真田信治、下野雅昭、石井みち江、飛田良文、「音韻の諸相」には、加藤正信、佐藤亮一、浅田秀子、「文法研究の蓄積と展開」には、佐藤宣男、斎藤倫明、石神照雄、仁田義雄、小矢野哲夫、「文法史の展開」には、小松正、蜂谷清人、平林文雄、彦坂佳宣、「語彙史の視点」には前田富祺、佐藤武義、佐藤亨、遠藤好英、菊田紀郎、安部清哉といった筆者の論文が収録されている。巻末に「佐藤喜代治博士年譜并著作目録」がある。

題名・執筆者は以下のようになっている。

(2005年5月25日発行 明治書院刊 A5判縦組み 604ページ 18,000円+税 ISBN 4-625-43327-4

石塚晴通教授退職記念会編『日本学・敦煌学・漢文訓読の新展開』

石塚晴通氏の北海道大学退職(2005年3月)を記念した論文集である。氏の略年譜・研究業績目録に続き、和漢仏書の研究調査、西域出土漢文写本と敦煌偽写本の研究調査、日本および中国周辺諸民族における漢文訓読の研究、漢字字体の研究などにわたる石塚氏の幅広い研究・関心領域を意識した論文が収録されている。論文は56編で、題名・執筆者は、以下のとおりとなっている。

(2005年5月27日発行 汲古書院刊 A5判縦組み 1154ページ 36,000円+税 ISBN 4-7629-3524-7

小林芳規著
『角筆文献研究導論 上巻 東アジア篇』
『角筆文献研究導論 中巻 日本国内篇上』
『角筆文献研究導論 下巻 日本国内篇下』
『角筆文献研究導論 別巻 資料篇』

前著『角筆文献の国語学的研究』(汲古書院 1987年)以降、中国・朝鮮半島において、角筆文献が大量に発見されており、また、日本国内でも新発見がなされている。本書は、それを受けて、角筆文献に関する現段階での知見を総合的にまとめたものである。上巻では、第1章で中国、第2章で朝鮮半島の調査結果・新知見概要を記す。第3章では東アジアという枠組みで加点法を比較し、その中での日本角筆文献の位置を考えている。中巻は、第1章「奈良時代の角筆文献」、第2章「平安時代の角筆文献」……のように、時代別視点でまとめ、さらに第6章「古寺社及び個人文庫蔵の角筆文献」を収めている。下巻は、地域別視点からの考察と、近世の角筆文献研究の課題、筆記具としての角筆の探索などを扱っている。別巻は、前3巻に関連する影印、地図、研究文献目録などを収めている。

上巻(2004年7月30日発行 汲古書院刊 B5判縦組み 399ページ 20,000円+税 ISBN 4-7629-3514-X
中巻(2004年9月17日発行 汲古書院刊 B5判縦組み 505ページ 20,000円+税 ISBN 4-7629-3515-8
下巻(2004年10月25日発行 汲古書院刊 B5判縦組み 602ページ 20,000円+税 ISBN 4-7629-3516-6
別巻(2005年6月10日発行 汲古書院刊 B5判縦組み 366ページ 20,000円+税 ISBN 4-7629-3517-4

金沢大学法文学部国文学研究室編『ラホ日辞典の日本語 本文篇・索引篇』

本書は1967〜1973年に本文篇7冊・索引篇4冊の11分冊で刊行された同題書を、各篇ごとにまとめた2分冊構成で再刊したものである(旧刊は検索資料としての重要性を指摘されてきたが、入手困難となっていた。なお、再刊にあたって最終巻の正誤表により訂正がなされている)。本文篇では、『ラホ日辞典』のラテン語見出しの順に従い、それに関連して用いられているローマ字表記日本語の翻刻を行っている。(あくまで日本語が中心であり、『ラホ日辞典』それ自体の完全な翻刻がなされているものではない)。索引篇では、ローマ字表記日本語の単語をアルファベット順に並べ、それが本文のどこに出てくるかを数字で表している。この索引により、見出し語に対応する訳語以外の日本語、例えば、例文に用いられている日本語の単語も引けるようになっている。

(2005年6月10日発行 勉誠出版刊 A5判横組み 本文篇1033ページ・索引篇609ページ 2冊セット40,000円+税 ISBN 4-585-03137-5

近代語研究会編『日本近代語研究4―飛田良文博士古稀記念―』

近代語研究会の第4論文集である。今回は、近代語研究に貢献してきた飛田良文氏の古稀記念論集となっている。同氏の履歴と研究業績目録を収録している。論文は38編で、執筆者は、飛田良文、木下哲生、杉本雅子、小野正弘、田中牧郎、小平友美、孫建軍、新野直哉、真田治子、佐藤武義、湯浅茂雄 、菊地悟、近藤尚子、村上雅孝、浅田秀子、エツコ=オバタ=ライマン、笹原宏之、貝美代子、今野真二、小椋秀樹、平沢啓、矢島正浩、鶴橋俊宏、服部隆、島田泰子、田貝和子、園田博文、申鉉竣、安部清哉、陳力衛、羅工洙、矢野準、彦坂佳宣、上野隆久、山田昌裕、樋渡登、小林千草、小林賢次となっている。

題名・執筆者・キーワードは以下のようになっている。

(2005年6月13日発行 ひつじ書房刊 A5判縦組み 381+217ページ 40,000円+税 ISBN 4-89476-234-X

佐藤琢三著『自動詞文と他動詞文の意味論』

日本語の自動詞文と他動詞文に関わる諸問題を意味論的な観点から考察したものである。意味と形式の対応関係が単純ではないものに着目し、その実質を探るという方法をとっている。全体は4部に分かれる。第1部「自動詞ナルの諸相」では、「ナル」を主体の背景化という機能から説明する。また、「ナッテイル」「モヨウ」も扱う。第2部「変化他動詞文と多義性」では、「太郎は家財道具を焼いた」などの変化他動詞文が多様性を持つことを指摘し、その成立条件を分析し、メトニミーの観点から統一的に把握する。第3部「他動詞文と形式動詞」では、「ヤル」と「スル」の違い、「青い目をしている」型の文について論じる。第4部「自他対応と動詞体系」では、動詞自他対応についての意味構造を主に他動詞を中心に見ていく。また、ヴォイスと自他の関係について論じる。

章立ては以下のようになっている。

(2005年6月15日発行 笠間書院刊 A5判横組み 217ページ 2,800円+税 ISBN 4-305-70295-9

滝浦真人著『日本の敬語論―ポライトネス理論からの再検討―』

敬語論の思想史的捉え直しを行い、ポライトネス理論を検討して、「敬語とは何か」という問いに答えようとしたものである。敬語とは「距離」の表現であると結論づけ、語用論的な理論化の可能性を示唆している。第1部「敬語の思想史―〈敬意〉と〈関係認識〉の相克―」では、主に明治以降の敬語研究史を、敬語を「美しい心の働きのあらわれ」と捉える〈敬意〉の敬語論(山田孝雄らによる)と、敬語を「人間関係の認識のあらわれ」とする〈関係認識〉の敬語論(時枝誠記らによる)の流れに整理し、〈敬意〉派が主流であった背景と、〈関係認識〉派の再評価すべき点を論じる。第2部「ポライトネスと敬語―人間関係と〈距離〉―」では、ポライトネス理論を導入して敬語を語用論的に扱う可能性を探る。第3部「敬語の語用論のために」では、ポライトネス概念の枠組みにおいて〈敬意〉派と〈関係認識〉派の止揚をはかるとともに、ウチソト関係を処理するために久野?ワの「共感度」という概念を援用し、敬語の語用論を展開する。

部立ては以下のようになっている。

(2005年6月15日発行 大修館書店刊 B6判縦組み 315ページ 2,000円+税 ISBN 4-469-22171-6

久野マリ子著『日本方言基礎語彙の研究』

本書は、『現代日本語方言大辞典』の編集において現れた様々な問題を扱ったものである。第1章「方言基礎語彙研究のために」は、方言基礎語彙研究の流れ、調査項目として方言基礎語彙が定められるまでの経緯について述べている。第2章「近畿方言の方言基礎語彙」では、奈良県十津川村方言の記述を行う。また、兵庫・奈良・和歌山方言における人体語彙の特徴を述べる。第3章「北奥羽方言の方言基礎語彙」では、北奥羽方言の人体語彙や「いじわる」に関する語彙を取りあげる。第4章「人体語彙の意味記述」は、人体語彙の調査項目を整理・分類し、意味の変遷や記述を行う。第5章「琉球方言の方言基礎語彙」は、宮古方言の人体語彙、八重山諸方言の「作る」「こしらえる」、琉球方言の視点移動表現について述べる。第6章「語彙の対照研究」は範囲を絞った対照研究で、モンゴル語、北京語、ポルトガル語が扱われている。

章立ては以下のようになっている。

(2005年6月30日発行 おうふう刊 A5判横組み 414ページ 8,000円+税 ISBN 4-273-03334-8