『日本語の研究』査読審査の概要

 日本語学会機関誌『日本語の研究』に投稿された原稿に対する査読審査は,編集委員会内部の査読審査要領に基づいて,厳格かつ公正に行われています。以下は,審査の公正性・秘匿性を損なわない範囲で,その概要を示し,会員の皆様に,査読審査の基本方針・評価基準と審査の流れをお知らせするものです。

 

1. 査読審査の基本方針

1).査読審査は,会員から投稿された論考が,機関誌『日本語の研究』に掲載するに相応しいものであるかを,適切に判定し,同誌の内容水準を保証するために行われます。

2).投稿は会員の重要な権利であり,積極的な投稿に支えられ,多くの意欲的な論考が機関誌に掲載されることが学会の質を担保することにも鑑み,投稿意欲を萎縮させるような,過度に厳しい査読は慎みます。

3).投稿内容の責任は投稿執筆者が負うものであり,掲載論文への評価は会員を主とした読者に委ねられることに鑑み,査読者の見解に基づく過度の助言や訂正要求は慎みます。

4).査読者に対する投稿者の秘匿性,および,査読の独立性を担保するために,査読審査に際し,各査読者には,投稿者および他の査読者の氏名・所属等は知らされません。

5).査読審査に関する投稿者への連絡・通知は,全て,学会事務室を通して行われ,査読者が投稿者に対して直接に接触することは,一切ありません。また,審査中も審査判定確定後も,投稿者に,査読者の氏名等が明かされることはありません。

 

2. 査読審査の評価基準

1).採否の評価は,投稿原稿の種別(「『日本語の研究』投稿規定」〈以下,「投稿規定」〉3を参照)に従い,それぞれ,以下の基準が満たされているかによって,行われます。

〈論文〉

 1.内容に十分な新規性があり,独創的な知見を含むこと。

 2.その重要性から当該分野に相当の影響を与える可能性があること。

 3.論証過程が明快で,論理に客観性があること。

 4.先行研究を適切に参照していること。

 5.資料・データの量が必要十分であり,適正に取り扱われていること。

 6.用語・表現が適切で第三者にもわかりやすいこと。

〈研究ノート〉

 1.独創的な知見であり,当該分野の研究を活性化させる契機となりうること。

 2.用語・表現が適切で第三者にもわかりやすいこと。

〈短信〉および〈資料・情報〉

 1.当該分野の研究にとって有益で,研究を活性化させる提案や情報であること。

 2.用語・表現が適切で第三者にもわかりやすいこと。

2).評価の結果は,以下を目安に,[採用][条件付採用][修正後再査読][不採用]のいずれかの「評価」を与えることで,示されます。

 [採用]1)の基準を全て満たしており,そのまま『日本語の研究』に掲載するに相応しいもの。

 [条件付採用]1)の基準を概ね満たしているが,『日本語の研究』に掲載するには,いくつかの修正・補足等が必要であり,その修正措置がなされれば,掲載可となるもの。

 [修正後再査読]1)の基準を十分に満たすには,かなりの修正・補足等が必要であり,かつ,修正後の原稿を再査読して採否を判定する必要があるもの。

 [不採用]1)の基準を満たしておらず,採るに値しないか,限られた期間内の手直しでは掲載できる水準には達せないだろうと判断されるもの。

3).上掲「評価」の根拠となる「所見」が,全般を簡潔に要約した「総評」と個別の問題点を指摘した「個別的問題」とに分けて,作成されます。なお,[条件付採用][修正後再査読]については,必ず,修正改稿を求める「改稿条件」が提示されます。

 

3. 査読審査の流れ

1).投稿された論考は,「投稿規定」18に示す要件を満たしていることが確認された時点で受理され,査読審査の対象となります。

(不適格・不十分の際は,投稿者に,その旨を通知し,可能であれば必要な修正を施した上で再提出するように求めます。)

2).投稿が受理され次第,原則として,3名の査読者が選任されます。

 *査読者は,編集委員・常任査読委員,および,必要に応じて臨時に依頼される臨時査読委員の中から選任されます。

 *〈論文〉以外の投稿については,査読者数を減ずることがあります。また,[修正後再査読]の判定に従って提出された修正稿への再査読は,2名の査読者によって行われます。

 *ほほ3ヶ月おきに開かれる定例編集委員会(通例は,年4回。3・6・9・12月,各月の前半)の,開催予定1か月未満の時期に受理された投稿については,査読者の選任を,その委員会の終了後に延ばすことがあります。

3).各査読者は,前節2に従って査読審査を行い,定められた期日(通常4週間後)までに,審査結果を,委員長に報告します。

4).査読者からの審査報告が出揃った後,最も早い時期に開催される編集委員会において協議し,委員会としての審査判定を,[採用][条件付採用][修正後再査読][不採用]のいずれかに,決定します。

 *審査判定は,原則として,査読審査報告での評価分布に基づき,決定されます。

5).審査判定決定後,投稿者に通知するための「審査所見」を作成します。

 *「審査所見」は,査読者からの「所見」と委員会での協議内容を踏まえて,作成されます。

 *[条件付採用]または[修正後再査読]と判定された投稿に対しては,必ず「改稿条件」が示されます。

6).審査判定結果は,「審査所見」の確定後(通常,委員会終了後2週間以内)に,その「審査所見」を付して,投稿者に通知されます。

 (ただし,[不採用]と判定された投稿については,投稿の際に不採用理由の通知を希望したものに限り,「審査所見」が添えられます。)

7).[採用][条件付採用][修正後再査読]のいずれかに決した投稿の,結果通知後の扱いは,それぞれ,次のようになります。

 *[採用]:投稿者は,速やかに完全原稿(→「投稿規定」11)を作成・提出し,それを受け,委員会と事務室は掲載のための編集作業に入ります。

 *[条件付採用]:投稿者は,定められた期日(通常4週間後)までに,改稿条件に応じた修正稿を提出し,それが改稿条件を満たしているとの確認が得られれば,直ちに採用が決定されます。

 *[修正後再査読]:投稿者は,定められた期日(通常8週間後)までに,改稿条件に応じた修正稿を提出し,その再査読(通常期間は2週間)を経て,直近の編集委員会において,最終的な採否が確定します。(再査読後の評価は[採用][条件付採用][不採用]のいずれかとなり,[条件付採用]となった際には,改めて改稿条件に応じた修正稿の提出が求められます。)

 (なお,[条件付採用]および[修正後再査読]については,定められた期日までに修正稿の提出がなされなかった際には,特別の事情によるものと認められない限り,[不採用]扱いとなります。)

 

[付記] この「査読審査の概要」の全文は,『日本語の研究』各巻1号にも掲載されます。

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