日本語学会

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特別展示のご案内

宋版漢書特別展示のご案内

 松本市の格別のご厚意により、国語学会および関連諸学会開催に合わせて、『漢書』(南宋慶元(1195〜1200)刊本、一部明版。重要文化財)の特別展示が松本市美術館にて行われることとなりました。同書には、欄外書き込みや訓点の跡を見ることができます。狩谷棭齋(1755-1835)旧蔵本であり、松本藩の漢学者、松原葆斎(1825-1898)の手を経て、松本市の所有となりました。南宋中期建刊本(宋慶元黄善夫・劉元起刊本)は、他には国立歴史民俗博物館蔵本(旧米沢市立上杉博物館蔵本、国宝)と、北京大学図書館蔵本しか現存しておりません。この機会に是非ご覧下さい。

期間 11月14日(金)・15日(土):9時〜18時30分
11月16日(日):9時〜17時
会場 松本市美術館3階上條信山記念室
〒390-0811 長野県松本市中央4-2-22
入場 無料。美術館受付にて松本市コンベンションビューロー発行の招待券を渡し、入場して下さい。招待券は、国語学会及び関連諸学会(近代語研究会、訓点語学会、日本方言研究会)の受付で配布します。
交通 JR松本駅から ◆徒歩15分◆タウンスニーカー(100円バス)南コース5分「松本市美術館」下車 ◆タクシー5分


[重要文化財・宋版漢書慶元刊本の写真と解説]

宋版漢書慶元刊本

写真をクリックすると大きく表示されます。

 本書は中国の三大史書―史記・漢書・後漢書―の一つで、前漢時代(西暦紀元前202年〜220年)を扱った正史である。中国の南宋時代、慶元年間(1195〜1200)に劉之問、黄宋仁が協同で出版した三大史書のうちの漢書で、刊行の年号により慶元刊本と呼ばれる。室町時代に中国から伝来したと推測され、欄外に註記や書き込みがみられるなど、室町時代の五山僧の研究の足跡がうかがえる。その後、江戸時代の考証学者、狩谷棭斎の所蔵となり、60冊のうち6冊は棭斎が明版をもって補っている。開智学校、師範学校松本支校の教員を歴任した松本藩の儒学者松原葆齋が所蔵していたもの。現在では文化庁(国宝上杉本)と中国の北京図書館、そして本市に所在するものと三部しか保存されていない極めて貴重なものである。

(写真とも、松本市教育委員会文化課(1998)『新編 松本のたから 受け継ぎ伝える郷土の文化財』 松本市教育委員会 85頁より抜粋)

特別展示「長野県言語地図への招待」ご案内

 東西方言接触地帯である長野県の言語地図と、その作成過程を紹介する特別展示が下記の要領で開催されますので、この機会に合わせてご覧下さい。『長野県史』『上伊那誌』に収録された、アクセント・音韻・語彙・文法地図の原図を中心に展示が行われます。『長野県史』は、昭和49年度から53年度にかけて実施した県下424地点調査をもとに1000葉の地図を書き起こし、そこから200葉の言語地図を精選、収録して刊行されたものです。『上伊那誌』はこれに先駆けての刊行。今日GIS等のコンピュータ作図が盛んですが、日本言語地図、糸魚川言語地図とともに、日本における言語地理学の原点を理解する貴重な資料でもあります。

主催 日本方言研究会
共催 松本市 松本市教育委員会
日時 2003年11月13日(木)・14日(金) 9時00分〜17時00分
場所 あがたの森文化会館(あがたの森公園内 旧制松本高等学校)
    〒390-0812 松本市県3-1-1
入場 無料(市民開放)
交通 JR松本駅から◆徒歩20分◆タウンスニーカー(100円バス)東コース15分「旧松本高校」下車◆タクシー5分