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学会運営についての報告(2003年度春季大会)
前・代表理事 山口佳紀
本学会は例年,春季大会時に会員総会を開催しています。本年は総会を,大会(大阪女子大学)第一日である5月17日(土曜日)のシンポジウム直後に予定していましたが,シンポジウムの時間が延びて,総会を開く時間がなくなってしまいました。そこで,予定を変更し,第二日である18日(日曜日)の研究発表会終了後に時間を移して,総会を開催いたしました。
そこで私が行った学会運営に関する報告の内容は,当日出席できなかった会員の方々にも広く知っていただいた方がよいと考えますので,総会時に触れることができなかったことも補足しながら,以下,項目別に紹介したいと思います。
なお,今回は理事会の交代期に当たりますので,新理事会の発足と新会長の選出とにも触れることになります。
(一)学会名の変更について
過日,学会名の変更について会員投票を実施いたしましたが,去る2月23日,土屋信一・飛田良文両評議員の立ち会いのもとに開票しましたところ,結果は次のようになり,原案が可決されました。
投票総数 | 1170 票 | (うち有効票数1150票) |
賛成 | 776 票 | |
反対 | 367 票 | |
白票 | 7 票 | |
無効票 | 20 票 | (返信用封筒に記名のないもの,締切日を過ぎて投函されたもの等) |
合計 | 1170 票 |
以上,賛成票が有効投票総数1150の過半数に達しましたので,次の原案が可決されたことになります(なお,上記の投票者総数1170名は,有権者総数2155名の54%強に当たる数字である)。
本学会の名称を創立60周年(2004年)を期して「国語学会」から「日本語学会」に改める。会則の文言も,それに応じて改める。
この結果は,5月17日の評議員会,および18日の総会に報告され,正式な決定となりました。
(二)会則の改訂について
上記の決定に伴って,会則の改訂が必要になりましたので,以下の方針で会則の改訂案を作成し,17日の評議員会に提出しましたところ,賛成多数で可決されました。
- 学会名変更の期日は,2004年1月1日とする。
- 会則の改訂案は,学会名の変更の問題に絞って作成する。
- 新会則の発効期日は,2004年1月1日とする。
(三)機関誌の新名称について
学会名が「国語学会」から「日本語学会」に改められるのに伴い,機関誌の名称をどうするのかが次の問題になります。この問題の扱いについては,新理事会に委ねることになりますが,一応の目安を示せば,以下のようになりましょう。これを第1案とします。
- 新誌名は,56巻1号(2005年1月1日発行)からとする。
- 今後,会員および編集委員会の意見を聞くなどして,新誌名を検討する。
- 新誌名は,2004年5月23日の評議員会(実践女子大学)に提案して決定する。
- 2004年11月頃に予定されている学術定期刊行物科学研究費の申請には,新誌名によって申請する。
なお,急ぐならば,次のようなスケジュールも考えられないではありません。これを第2案とします。
- 新誌名は,55巻1号(2004年1月1日発行)からとする。
- 今後,会員および編集委員会の意見を聞くなどして,新誌名を検討する。
- 2003年11月15日に臨時評議員会(信州大学)を開催し,そこに新誌名を提案して決定する。
- 2003年11月頃に予定されている学術定期刊行物科学研究費の申請には,新誌名によって申請する。
しかし,第2案は時間的にかなり無理があり,またそれほど急ぐ必要があるかどうか,疑問です。また,この際,従来の判型やデザインを変えた方がよいという意見も出ており,それらも同時に検討するべきでしょう。したがって,第1案の方を推奨したいというのが,旧理事会の意見です。
これに関しては,評議員会で議論がなされ,急ぐべきだという意見も出されましたが,拙速は避けるべきだとする意見も多く,改めて新理事会で審議することになりました。また,総会では,新誌名になった時の巻号表示法について検討されたいとの発言があり,今後の検討課題となりました。
(四)新理事の選出について
本年3月,評議員の投票によって互選を行いましたところ,次の9名が新理事として選出されました。
上野善道・北原保雄・小林賢次・坂梨隆三・迫野虔徳・真田信治・前田富祺・柳田征司・山口仲美(五十音順)
(五)会長選挙について
今回より学会代表者の名称を「会長」に改めるともに,選出方法も,理事9人を候補者とし,評議員の投票によって選出する方式に改めました。
- 上記の9名の理事を候補者として評議員による郵便投票を行ったが,得票数は次のようであった(投票総数47,有効46,無効1)。
上野善道2・北原保雄17・小林賢次0・坂梨隆三4・迫野虔徳1・真田信治0・前田富祺16・柳田征司4・山口仲美2 - 上記の第1次投票では,投票総数(有効)の過半数を得た者がなかったので,規定に従い,評議員会席上において,上位2位までの者を対象として第2次の投票を行った結果,得票数は次のようになった(投票総数39,有効39,無効0)。
前田富祺 23
北原保雄 16
以上の結果,新会長は前田富祺氏に決定いたしました。
(六)会計監査の選出について
評議員会では,会計監査の選出を行いましたが,評議員からは佐藤亮一氏に,評議員以外からは安田尚道氏にお願いすることになりました。
以上が,総会で報告した内容とその補足ですが,最初にも触れましたように,これで新旧理事会は交代することになりました。
旧理事会は,任期の3年間,学会活動の活性化をめざして,機構・組織の面を中心に改革を推進してまいりました。編集委員会と大会運営委員会とを完全に分離するとともに,大会の企画面を重視し,後者の名称を「大会企画運営委員会」と改めました。また,近時著しく重要度を増してきた情報電子化の問題に対処するために,「情報電子化委員会」を発足させました。さらに,学会代表者の名称を外部から見ても分かりやすい「会長」に変えるとともに,選出過程を明瞭化するような制度に改めました。
今期の大きな問題と言えば,上記でも報告しましたように,学会名の改称という問題がありました。この問題をめぐる議論の中には,大切なのは名称よりも中身であるという意見が少なくありませんでした。確かにそのとおりであり,今後は中身についての議論が重要になろうと思います。
そのようなことも含めて,旧理事会の及ばなかった点は多々ありますが,そうした力不足にもかかわらず,会員の皆様からはさまざまなご支援をいただきました。改めて厚くお礼申しあげます。今は,新理事会の今後に期待するとともに,会員の皆様には新理事会へのご協力をお願いする次第です。
『国語学』54巻3号 p.178-181 に掲載