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新刊紹介 (『日本語の研究』第2巻1号(通巻224号)掲載分)
「新刊書目」の一部について,簡単な紹介をしています。なお,論文集等については,論文リストを添えるなど,雑誌『日本語の研究』掲載分と一部異なる点があります。(価格は本体価格)
- 鎌田修・筒井通雄・畑佐由紀子・ナズキアン富美子・岡まゆみ編『言語教育の新展開―牧野成一教授古稀記念論集―』
- バジル・ホール・チェンバレン原著・山口栄鉄編訳/解説『琉球語の文法と辞典―日琉語比較の試み―』
- 山口佳紀著『古事記の表現と解釈』
- 沖森卓也・佐藤信・矢嶋泉著『上宮聖徳法王帝説―注釈と研究―』
- 清水教子著『平安後期公卿日記の日本語学的研究』
- 武内道子編『副詞的表現をめぐって―対照研究―』
- 王志英著『命令・依頼の表現―日本語・中国語の対照研究―』
- 前田富祺監修『日本語源大辞典』
- 高橋太郎・金子尚一・金田章宏・齋美智子・鈴木泰・須田淳一・松本泰丈著『日本語の文法』
- ダニエル=ロング・橋本直幸編『小笠原ことばしゃべる辞典』
- 川上徳明著『命令・勧誘表現の体系的研究』
- 日本方言研究会編『20世紀方言研究の軌跡―文献総目録―』
- 村上雅孝著『近世漢字文化と日本語』
- 金田一春彦著『金田一春彦著作集6―国語学編6―』『金田一春彦著作集7―国語学編7―』『金田一春彦著作集8―国語学編8―』『金田一春彦著作集12―随筆編2―』
- 佐藤喜代治博士追悼論集刊行会編『日本語学の蓄積と展望』
- 石塚晴通教授退職記念会編『日本学・敦煌学・漢文訓読の新展開』
- 小林芳規著『角筆文献研究導論 上巻 東アジア篇』『角筆文献研究導論 中巻 日本国内篇上』『角筆文献研究導論 下巻 日本国内篇下』『角筆文献研究導論 別巻 資料篇』
- 金沢大学法文学部国文学研究室編『ラホ日辞典の日本語 本文篇・索引篇』
- 近代語研究会編『日本近代語研究4―飛田良文博士古稀記念―』
- 佐藤琢三著『自動詞文と他動詞文の意味論』
- 滝浦真人著『日本の敬語論―ポライトネス理論からの再検討―』
- 久野マリ子著『日本方言基礎語彙の研究』
鎌田修・筒井通雄・畑佐由紀子・ナズキアン富美子・岡まゆみ編『言語教育の新展開―牧野成一教授古稀記念論集―』
牧野成一氏の古稀を記念した論文集である。論文の分野は、牧野氏の研究活動を反映した幅広いものとなっている。全体は4章に分かれている。第1章「言語学」には、大曽美恵子、ジョンソン由紀、筒井通雄、マグロイン花岡直美、泉子=K=メイナード、井上和子、久野?ワ、中田清一による計8編、第2章「言語教育・習得論」には、三浦昭、浜野祥子、藤原雅憲、ナズキアン富美子、岡まゆみ、ハドソン遠藤陸子、富田英夫、畑佐一味、當作靖彦、坂本正、畑佐由紀子による計11編、第3章「OPI」には、鎌田修、渡辺素和子、石川智による計3編、第4章「継承語教育」には、岡崎眸、岡崎敏雄、中島和子、森美子による計4編、合計で26編の論文が収められている。なお、巻頭に「牧野成一先生の略歴」を載せている。
題名・執筆者・キーワードは以下のようになっている。
- 第1章 言語学
- 終助詞「よ」「ね」「よね」再考―雑談コーパスに基づく考察―(大曽美恵子)
*キーワード:終助詞、「よ」、「ね」、「よね」、雑談コーパス、世代差 - 日英連体修飾節一考察―統語的・意味的観点からみた「という」節に及んで―(ジョンソン由紀)
*キーワード:連体修飾、名詞補語節、関係節、内の関係、外の関係 - 連体修飾「N1のN2」の意味解釈―格解釈の視点から―(筒井通雄)
*キーワード:連体修飾、意味解釈、格解釈、語用論 - 補文標識としての「と」の意味機能再考(マグロイン花岡直美)
*キーワード:補文標識、「と」、「こと」、情報のハイライト機能 - 会話導入文―話す声が聞こえる類似引用の表現性―(泉子=K=メイナード)
*キーワード:引用、会話導入文、類似引用、「みたいな」、表現性 - 日本語の難易文をめぐって(井上和子)
*キーワード:典型的な難易文、空主語構造、多重「が」格文、取りたて詞、焦点 - 主語繰り上げ規則(久野?ワ)
*キーワード:主語繰り上げ、数量詞スコープ、再帰代名詞、分裂文、否定対極表現 - メンタルレキシコン―句語彙項目の視座―(中田清一)
*キーワード:メンタルレキシコン、レキシコン、辞書、句語彙項目、言語理論
- 終助詞「よ」「ね」「よね」再考―雑談コーパスに基づく考察―(大曽美恵子)
- 第2章 言語教育・習得論
- アメリカにおける日本語教育の歴史と現状(三浦昭)
*キーワード:戦時中の海軍日本語学校と陸軍日本語学校、80年代の日本語ブームと90年代のバブル崩壊、現在のマンガとアニメの影響、articulationの問題、四技能と文化理解 - 文法を分かりやすく教えるために(浜野祥子)
*キーワード:埋め込み文、時制、複合動詞、複文 - 教えられることと教えられないこと(藤原雅憲)
*キーワード:日本語教育、「は」、「が」、「を」、助詞脱落、語用論 - 終助詞「よ」「ね」と日本語教育(ナズキアン富美子)
*キーワード:終助詞「よ」と「ね」、コミュニケーション重視の指導、ACTFL - メタファー指導が日本語教育にもたらすもの(岡まゆみ)
*キーワード:メタファー/比喩、日英共通比喩表現、常套的メタファー、創造的メタファー、概念的メタファー、比喩力 - ビデオを見せないビデオの授業(ハドソン遠藤陸子)
*キーワード:アウトリーチ、ドラマ、日本語教育、ビデオ使用教育、補助教材、中上級の日本語 - 大学生の知的レベルに合わせた日本語教育とテクノロジーの活用(富田英夫)
*キーワード:アメリカでの日本語教育、初級日本語、読み教育、テクノロジー - 日本語学習者のキーボード入力の誤りに関する研究と日本語入力プログラムの改善策(畑佐一味)
*キーワード:日本語入力プログラム、キーボード入力、仮名漢字変換、変換辞書 - 外国語教育における文化の役割(當作靖彦)
*キーワード:文化、外国語教育、文化教育、ナショナル・スタンダード、文化能力 - 母語干渉判定基準―五つの提案―(坂本正)
*キーワード:母語、干渉、誤用、判定基準、中間言語 - 言語習得と訂正フィードバックの関係の考察(畑佐由紀子)
*キーワード:第二言語習得、訂正フィードバック、インタラクション
- アメリカにおける日本語教育の歴史と現状(三浦昭)
- 第3章 OPI
- OPIの意義と異議―接触場面研究の必要性―(鎌田修)
*キーワード:OPI、ACTFL、Proficiency Guidelines、学習者主体、接触場面、「個」の「共有」 - ACTFL-OPIの妥当性と応用に関する先行研究のまとめ(渡辺素和子)
*キーワード:OPI、外国語運用能力、構成概念妥当性、併存妥当性、信頼性 - 文末表現「けど」のポライトネス―OPIから見た母語話者と学習者の使用状況―(石川智)
*キーワード:文末表現「けど」、ポライトネス、関連性理論、心的態度、OPI
- OPIの意義と異議―接触場面研究の必要性―(鎌田修)
- 第4章 継承語教育
- 多言語・多文化共生時代の日本語教育―共生言語としての日本語学習―(岡崎眸)
*キーワード:共生言語、参入ストラテジー、受け入れストラテジー、多言語・多文化共生、接触場面、第二言語学習 - 年少者日本語教育と母語保持―日本語・母語相互育成学習における学習のデザイン―(岡崎敏雄)
*キーワード:年少者日本語教育、母語保持、日本語・母語相互育成学習、学習のデザイン、内発的発展 - ポルトガル語を母語とする国内小・中学生のバイリンガル会話力の習得(中島和子)
*キーワード:バイリンガル、会話力、BICS/CALP、ダブル・リミテッド、相互依存説 - 二言語のはざまで育つ補習校の子どもたち(森美子)
*キーワード:補習校、二言語使用環境、海外子女、継承語学習者、加算的二言語使用
- 多言語・多文化共生時代の日本語教育―共生言語としての日本語学習―(岡崎眸)
(2005年1月20日発行 ひつじ書房刊 A5判横組み 446ページ 8,000円+税 ISBN 4-89476-224-2)
バジル・ホール・チェンバレン原著・山口栄鉄編訳/解説『琉球語の文法と辞典―日琉語比較の試み―』
本書は『日本アジア協会紀要』23巻補遺の「Essay in Aid of a Grammar and Dictionary of the Luchuan Language」(1895)を完訳したものである。この原著は、琉球語(あるいは日琉比較)における先駆的観察・分析・記述であり、これまで部分訳はあったものの完全な形では訳されていなかった。内容は、文法編と辞典編に分かれる。文法編は、音声組織の章を含み、各品詞別の論、統語論と続く。補説として「琉球語より観た日本語動詞活用の起原」、さらに「日琉語文例」として、あいさつ、慣用句、会話例、ことわざが示され、さらに歌劇の対訳が収められている。辞典編は、例えば「AKA-TSICHI 明け方、夜明け 恐らく文字通りには赤い時(日。aka-toki?に対するaka-tsuki)」のような簡単な記述で書かれている。巻頭には「解説 チェンバレンの琉球・琉球語研究」、巻末には「チェンバレン年譜」「主題索引」を付す。
目次は以下のようになっている。
- 解説 チェンバレンの琉球・琉球語研究
- 文法編
- 第1章 序論
- 第2章 音声組織
- 第3章 孤立法
- 第4章 名詞および代名詞
- 第5章 後置詞
- 第6章 数詞
- 第7章 動詞
- 第8章 形容詞・副詞・接続詞・感嘆詞
- 第9章 統語論
- 補説 琉球語より観た日本語動詞活用の起原
- 日琉語文例
- 歌劇「うやんまあ物語(ちょうぎん)」―琉球歌劇概観―
- 辞典編
- 日琉語比較語彙
- チェンバレン年譜
- 主題索引
(2005年2月25日発行 琉球新報社刊 A5判横組み 328ページ 3,048円+税 ISBN 4-89742-065-2)
山口佳紀著『古事記の表現と解釈』
前著『古事記の表記と訓読』(有精堂 1995年)に続き、従来の意味解釈を検討しながらどう訓読するべきかを探究したものである。前著では、散文部が中心であったが、本書では、さらに歌謡部の問題に踏み込んでいる。第1章「『古事記』の書記様式と訓読」では、散文部と歌謡部の差異について考え、安易に歌謡部の読みを散文部に適用すべきではないとする。他に、散文部の補読の問題、「者」の訓読の問題などを扱う。第2章「『古事記』散文部の表記と解釈」では、全体の表記傾向を考慮した校訂や訓読の必要性を論じる。第3章「『古事記』歌謡部の語詞と解釈」では、稀例・孤例の場合、解釈するにあたり帰納的な手法が使えないが、それをどうするかという問題を個々の例に即して考察する。第4章「『古事記』歌謡の読み方」は、散文と歌謡が一体となった文脈を押さえながら歌謡を解釈していくという試みである。第5章「『古事記』『日本書紀』の諸問題」には、記紀に関わる様々な論が収められている。
章立ては以下のようになっている。
- 第1章 『古事記』の書記様式と訓読
- 第2章 『古事記』散文部の表記と解釈
- 第3章 『古事記』歌謡部の語詞と解釈
- 第4章 『古事記』歌謡の読み方
- 第5章 『古事記』『日本書紀』の諸問題
(2005年2月28日発行 風間書房刊 A5判縦組み 450ページ 12,000円+税 ISBN 4-7599-1500-1)
沖森卓也・佐藤信・矢嶋泉著『上宮聖徳法王帝説―注釈と研究―』
厩戸王(聖徳太子)に関する系譜・事跡などをまとめた史料の影印・原文・校訂本文・訓読・注釈、および関連論文を収載したものである。語学・史学・文学と専門を異にする学者による共同研究の成果である。校訂本文・訓読・注釈にあたっては、最新の研究成果が取り入れられている。研究編には、「『上宮聖徳法王帝説』にみえる厩戸王」(佐藤信)、「『上宮聖徳法王帝説』の構造」(矢嶋泉)、「『上宮聖徳法王帝説』の万葉仮名表記」(沖森卓也)が収められている。沖森論文では、万葉仮名の表記を検討したうえで、この史料には様々な年代の表記が混ざっていることを指摘し、言語資料として扱う際には注意が必要だと述べる。
内容は以下のようになっている。
- 第1 影印編
- 第2 本文編
- 原文
- 校訂本文
- 第3 注釈編 校訂本文・訓読文・注釈
- 第4 研究編
- 『上宮聖徳法王帝説』にみえる厩戸王(佐藤信)
- 『上宮聖徳法王帝説』の構造(矢嶋泉)
- 『上宮聖徳法王帝説』の万葉仮名表記(沖森卓也)
- 第5 索引編
- 漢字索引
- 事項索引
- 『上宮聖徳法王帝説』研究文献
(2005年3月1日発行 吉川弘文館刊 A5判縦組み 205ページ 6,500円+税 ISBN 4-642-02436-0)
清水教子著『平安後期公卿日記の日本語学的研究』
本書は『御堂関白記』、『権記』、『小右記』を対象とし、そこに現れる語彙、語法、表現上の特徴について述べたものである。序章では、資料の性質、研究の目的、方法、意義を記す。第1章「公卿日記に見られる副詞」には、「極(メテ)」、「しはらく」など特定の語の研究、さらに情態副詞、程度副詞などについての調査研究を収める。第2章「公卿日記に見られる接続語」では、原因・理由を表す接続語を中心に、その機能・用法を記述する。第3章「公卿日記に見られる語彙の特徴」では、「同」字、「時」の表現、類義語について述べる。また、和文との語彙比較をする。第4章「公卿日記に見られる諸表現」では、感情表現、病気・怪我に関する表現など、特定のテーマについての表現を扱う。終章では、今後の課題について述べている。
章立ては以下のようになっている。
- 序章 平安後期公卿日記
- 第1章 公卿日記に見られる副詞
- 第2章 公卿日記に見られる接続語
- 第3章 公卿日記に見られる語彙の特徴
- 第4章 公卿日記に見られる諸表現
- 終章 公卿日記研究の現在と将来の課題
(2005年3月28日発行 翰林書房刊 A5判横組み 475ページ 12,000円+税 ISBN 4-87737-208-3)
武内道子編『副詞的表現をめぐって―対照研究―』
神奈川大学言語センターの共同プロジェクトの成果を発表した論文集である。日本語を主な対象とした論文は、時の副詞節に関する統語構造上の位置づけを扱う「時の副詞節と時間項の統語構造」(佐藤裕美)、「ル・タ=完成相、テイル=継続相」とする説に反対の立場をとる「アスペクト認知と語義 」(国広哲弥)、露日の対照研究である「ロシア語・日本語の結果期間を表す副詞表現とアスペクト」(堤正典)、「しょせん」と「どうせ」を「認知効果」に注目して分析する「関連性への意味論的制約」(武内道子)、文接続詞の談話レベルにおける類別を行う「接続詞と主題フォルダの関係について」(浅山佳郎)、英語との対照を通して考察した「副詞の視点から見た感情を表す音象徴語」(羽佐田理恵)の6編で、さらに「英語の文頭副詞類の機能について」(岩畑貴弘)、「時間的な意味が感じられない用法のencore」(西野清治・ Nicolas GAILLARD)、「『論語』における時態副詞と時態語気詞の呼応」(望月真澄)、「副詞と視点―英字新聞の一研究―」(岩本典子)を加えた計10編を収める。
題名・執筆者・キーワードは以下のようになっている。
- 時の副詞節と時間項の統語構造(佐藤裕美)
*キーワード:時の副詞、時間項、テンス、時の前置詞、付加 - アスペクト認知と語義 ―日本語の様態副詞と結果副詞を中心として―(国広哲弥)
*キーワード:アスペクト層、痕跡的認知、副詞、「ている」、多義 - ロシア語・日本語の結果期間を表す副詞表現とアスペクト(堤正典)
*キーワード:アスペクト、ロシア語動詞の体、結果期間、結果残存、結果消滅 - 関連性への意味論的制約 ―「しょせん」と「どうせ」をめぐって―(武内道子)
*キーワード:関連性、認知語用論、談話連結語、言語情報の意味確定度不十分、手続き的情報 - 英語の文頭副詞類の機能について(岩畑貴弘)
*キーワード:副詞類、機能、文頭、情報構造、フレーム - 時間的な意味が感じられない用法のencore―passe encore「まだましだ」とet encore 「そう言ったものかどうか」―(西野清治・ Nicolas GAILLARD)
*キーワード:前提、時の副詞、encore、ポリフォニー、発話行為 - 接続詞と主題フォルダの関係について(浅山佳郎)
*キーワード:接続詞、階層、フォルダ、主題、談話構造 - 副詞の視点から見た感情を表す音象徴語 ―その分析過程から導かれた問題点への取り組み―(羽佐田理恵)
*キーワード:音象徴語、メタファー機能と擬情語、内面心理擬情語、心理表出様態擬情語、心理動詞文 - 『論語』における時態副詞と時態語気詞の呼応(望月真澄)
*キーワード:論語、時態副詞、時態語気詞、呼応、龔千炎 - 副詞と視点―英字新聞の一研究―(岩本典子)
*キーワード:視点、コンテクスト、ディスコース、介入度、心的態度
(2005年3月31日発行 ひつじ書房刊 A5判横組み 252ページ 4,200円+税 ISBN 4-89476-258-7)
王志英著『命令・依頼の表現―日本語・中国語の対照研究―』
形態的な特徴が少ないと言われている中国語の命令・依頼表現に関して、いくつかの具体的な現象を取りあげ、語用論的観点・対人機能などの点から分析を行ったものである。また、日本語との対照を行い、両語の命令・依頼の違いを明らかにしようとしている。第1章「序論」で立場・方法を述べ、第2章「命令・依頼の表現における機能の定義」で、話し手などの構成要素について、さらには命令などがどのようなものであるかについて、整理する。第3章「動詞をめぐる命令・依頼の表現のアスペクト的・語用論的解釈」では動詞の重ね型の分析を行っている。第4章「形容詞と命令・依頼の表現」では形式上の形容詞の命令について述べる。第5章「命令・依頼の表現におけるモダリティ副詞」では「一定」(中国語)と「ぜひ」「必ず」、さらに「千万」(中国語)と「くれぐれも」の対照研究などを展開する。第6章「中国語の語気助詞「吧」と日本語の終助詞「ね」」は助詞の対照研究である。第7章「結語」では、モダリティ、丁寧さについて述べる。なお、本書は、京都大学大学院(人間・環境学)に提出した学位論文に若干の補正を加え、出版したものである。
章立ては以下のようになっている。
- 第1章 序論
- 第2章 命令・依頼の表現における機能の定義
- 第3章 動詞をめぐる命令・依頼の表現のアスペクト的・語用論的解釈
- 第4章 形容詞と命令・依頼の表現
- 第5章 命令・依頼の表現におけるモダリティ副詞
- 第6章 中国語の語気助詞「吧」と日本語の終助詞「ね」
- 第7章 結語
(2005年3月31日発行 勉誠出版刊 A5判横組み 236ページ 7,000円+税 ISBN 4-585-03130-8)
前田富祺監修『日本語源大辞典』
本書は『日本国語大辞典』第2版の「語源説」欄をもとに、整理・新例追加(さらに必要に応じて評価や補足説明)を行い、一書としたものである。見出し語は約6000である。語源について知りたいというときに見る、という使い方のほか、過去においてこの語に関してどのような語源であると人々が考えてきたか(語源推定という謎解きにどれだけの知恵を絞ったか)を知る、という使い方ができる辞典である。記述内容については、見出し、歴史的仮名遣い、漢字などの表記、品詞、語源の定説あるいは通説、語釈、初出文献を挙げる。そのあと、語源説をその典拠と共にいくつか挙げている。典拠については、巻末付録に「語源説 出典の解説」があり、著者名・成立年・内容について説明されている。巻頭には「語源研究の歴史」を載せる。また、漢語・外来語の由来・変遷を解説した「ことばのしおり」、仏教語・女房詞などのテーマ別で解説した「テーマで探ることばの由来」などのコラムが随所にある。
(2005年4月1日発行 小学館刊 A5判縦組み 1273+7ページ 6,000円+税 ISBN 4-09-501181-5)
高橋太郎・金子尚一・金田章宏・齋美智子・鈴木泰・須田淳一・松本泰丈著『日本語の文法』
本書は日本語の文法のテキストである。大学の授業のために作成され、日本語教員養成講座の教材としても使われていた高橋プリントに増補・改訂を徐々に加え、まとめあげたものである。著者の日本語文法に対する見方・考え方を簡明に表したものと考えることができる。第1章「文法とはなにか」、第2章「文のくみたて」で基礎的事項を述べ、以下は、名詞、動詞、形容詞、…と品詞別の章立てで進んでいく。ヴォイス・アスペクトなどは動詞の章の一部となっている。第18章でとりたて、第19章でモダリティなど、第20章で終助辞、第21〜22章で、あわせ文(複合文)を扱っている。第23章は、語形変化の手続きに関する形態論を扱っている。
章立ては以下のようになっている。
- 第1章 文法とはなにか
- 第2章 文のくみたて
- 第3章 名詞(1) 名詞とは
- 第4章 名詞(2) 格
- 第5章 名詞(3) 特殊な名詞
- 第6章 動詞(1) 動詞とは
- 第7章 動詞(2) ヴォイス
- 第8章 動詞(3) テンスとアスペクト
- 第9章 動詞(4) いろいろなカテゴリーの動詞
- 第10章 動詞(5) 動詞が文の述語でなくなるとき
- 第11章 形容詞
- 第12章 副詞
- 第13章 陳述副詞
- 第14章 接続詞
- 第15章 感動詞
- 第16章 補助的な品詞
- 第17章 品詞
- 第18章 文の部分のとりたて
- 第19章 文と陳述―述語の形式―
- 第20章 終助辞
- 第21章 あわせ文(複合文)(1) 重文と複文
- 第22章 あわせ文(複合文)(2) 条件節、ふたまた述語文
- 第23章 文法的なカテゴリーと文法的なてつづき
(2005年4月28日発行 ひつじ書房刊 A5判横組み 300ページ 2,400円+税 ISBN 4-89476-244-7)
ダニエル=ロング・橋本直幸編『小笠原ことばしゃべる辞典』
小笠原シリーズの3として出版された見出し語約1400の辞典である(シリーズ1と2は歴史・文化などについての概説書である)。小笠原諸島は元々無人島で、欧米系・太平洋系の人が入植した時期、日本人が入植した時期、戦争激化で内地に強制疎開させられた時期、米軍政下で英語で教育が行われた時期があり、その後日本に返還されたという歴史がある。それを反映して、日本語・英語・混合言語で言語活動がなされており、言語接触という点で興味深い。この辞典では、小笠原で使われている特徴的な言葉を収録している。記述は、見出し・ローマ字表記・品詞・意味分類・意味(日本語と英語)・語源説・実例・その他、となっている。付属CD-ROMには、実例の音声ファイルを収録している。また、「八丈語の文法体系の残存」、「親族名称」等々のコラムが所々に挿入されている。
(2005年5月1日発行 南方新社刊 A5判横組み 364ページ 6,000円+税 ISBN 4-86124-044-1)
川上徳明著『命令・勧誘表現の体系的研究』
中古の文学作品に現れた命令・勧誘表現を体系的に研究したものである。序論で、命令・勧誘表現の用例採否基準を挙げる。また、「給へ」を例にとると、「給へ」→「給はむ」→「給はむや」→「やは…給はぬ」の順に命令から勧誘へと変わるという形式の位置づけを行い、他の「給ひぬ」「給ひつ」なども同様の枠組みで捉えるなど、形式を体系としてまとめようとしている。さらに「敬度」「敬度値」「敬度指数」という概念を導入して、敬意度の判定とその数値化を行い、個々の作品を超えた客観的な指数による比較を可能にしている。本論では、『うつほ物語』『落窪物語』『源氏物語』『夜の寝覚』『今昔物語集』につき、命令・勧誘表現に該当する全用例を調査し、数値化によってその作品の特徴を示す。その上で、特定の人物、注意すべき表現について考察する。また、助詞「かし」「よ」「や」などについて述べる。
章立ては以下のようになっている。
- 序論
- 第1章 命令・勧誘表現の用例採否基準
- 第2章 命令・勧誘表現の四段階体系
- 第3章 「敬度」「敬度値」「敬度指数」―敬意の度合の客観的な把握のために―
- 附章 助動詞「つ」「ぬ」の所謂確述的用法について
- 本論
- 第1章 『うつほ物語』俊蔭の巻の命令・勧誘表現
- 第2章 『うつほ物語』の命令・勧誘表現
- 第3章 『落窪物語』の命令・勧誘表現
- 第4章 『源氏物語』の命令・勧誘表現
- 第5章 『夜の寝覚』の命令・勧誘表現
- 第6章 命令・勧誘表現の助詞「かし」
- 第7章 命令・勧誘表現の助詞「よ」
- 第8章 命令・勧誘表現の助詞「や」
- 第9章 命令・勧誘表現における「繰り返し」の表現価値
- 第10章 『今昔物語集』の命令・勧誘表現 序章―用例の採否・分類の基準等―
- 第11章 『今昔物語集』の命令・勧誘表現の種々相
- 第12章 『今昔物語集』における命令形「召セ」の待遇的用法―附 動詞命令形「給ヘ」「給ベ」―
- 第13章 「忘レ給ハヾ」「思エ給ヘ」攷―『今昔物語集』の注解二題―
- 結論
(2005年5月13日発行 おうふう刊 A5判縦組み 1028ページ 35,000円+税 ISBN 4-273-03369-0)
日本方言研究会編『20世紀方言研究の軌跡―文献総目録―』
本書は、19世紀末から、2001年にかけての方言書・方言論文の文献目録である。『日本方言研究の歩み―文献目録―』(角川書店 1990年)のデータに基づき、さらにその後に発表されたものを取り入れて作成された。また、方言研究のこれからを論じた『21世紀の方言学』(国書刊行会 2002年)の姉妹編でもある。内容は、1行程度で文献の筆者名・書名(論文名)・発行所(所収雑誌・所収単行本名)・発行年月・ページ数などを示すというものである。付録として「言語地図目録」(1994年までのもの)がある。これは『国語学(日本語学)論説資料』に掲載された雑誌論文や、地方史誌に載せられた言語地図のデータである。付属CD-ROMがあり、本書所載のデータが検索することが可能になっている。
(2005年5月20日発行 国書刊行会刊 A5判横組み 981ページ 24,762円+税 ISBN 4-336-04695-6)
村上雅孝著『近世漢字文化と日本語』
本書は近世漢文等と日本語との関わりをいくつかの面から考察したものである。訓読に注目して日本における漢字文化の受容について述べた前著『近世初期漢字文化の世界』(明治書院 1998年)では、近世初期における文語資料を扱っていたが、本書では、その後の様々な資料を扱っている。第1章「近世漢字文化と日本語の展開」では、藤原惺窩の文章における上代語・中古語の検討を行う。また、松永昌易の『首書五経集註』の訓点を調査し、林羅山の影響があると指摘する。第2章「荻生徂徠とその言語の世界」では、『訓訳示蒙』『訳文筌蹄』の日本語史資料としての性格や問題点について述べ、さらに徂徠の近代語史上の位置について考える。第3章「朝鮮漢字文化の展開」では、近世漢学における朝鮮漢学研究の影響について『語録解義』を中心に述べる。第4章「中国俗語学の展開」では、唐話辞書の『漢字和訓』『俗語解』『雅俗漢語訳解』を扱い、中国俗語の普及について見ていく。
章立ては以下のようになっている。
- 第1章 近世漢字文化と日本語の展開
- 第2章 荻生徂徠とその言語の世界
- 第3章 朝鮮漢字文化の展開
- 第4章 中国俗語学の展開
(2005年5月25日発行 おうふう刊 A5判縦組み 307ページ 13,000円+税 ISBN 4-273-03387-9)
金田一春彦著
『金田一春彦著作集6―国語学編6―』
『金田一春彦著作集7―国語学編7―』
『金田一春彦著作集8―国語学編8―』
『金田一春彦著作集12―随筆編2―』
金田一春彦著作集全12巻+別巻のうちの4冊である。第6巻は『日本語音韻の研究』(東京堂出版 1967年)が中心となっている。他に「連濁の解」などの論文を収める。第7巻は『国語アクセントの史的研究』(塙書房 1974年)、『日本の方言』(教育出版 1975年、増補版1995年)を中心に、ほか3編を収める。第8巻は『日本語方言の研究』(東京堂出版 1977年)が中心で、他に「音韻・アクセントによる日本語の方言区画」など6編の論文を収録。第12巻は、随筆編その2で、『父京助を語る』(教育出版 1977年、補訂版1986年)、『垣通しの花』(音楽鑑賞教育振興会 1980年)など、5冊の単行本から構成されている。
『金田一春彦著作集6―国語学編6―』に含まれている著書・論文は以下のとおりである。
- 『日本語音韻の研究』(東京堂出版 1967年)
- 「連濁の解」(『Sophia Linguistica』2 1976年に所収、『日本語音韻・音調史の研究』吉川弘文館 2001年に採録)
- 「方向観による平安朝アクセント」(『Sophia Linguistica』11 1983年に所収)
- 「国語アクセントの地方的分布」(『標準語と国語教育』国語教育学会 1940年、『日本語セミナー4 方言の世界』筑摩書房 1983年に再録)
『金田一春彦著作集7―国語学編7―』に含まれている著書・論文は以下のとおりである。
- 『国語アクセントの史的研究』(塙書房 1974年)
- 『日本の方言』(教育出版 1975年、増補版1995年)
- 「味噌よりは新しく茶よりは古い」(『言語』1980.4 大修館書店 に収録。ただし7月に増補。)
- 「服部博士へのお答え」(『言語』1980.6 大修館書店 に収録。)
- 「秋永一枝氏の魚島方言の報告を読んで」(『言語』1980.6 大修館書店 に収録。)
『金田一春彦著作集8―国語学編8―』に含まれている著書・論文は以下のとおりである。
- 『日本語方言の研究』(東京堂出版 1977年)
- 「音韻・アクセントによる日本語の方言区画」(『人類科学』15 1963年)
- 「音韻」(東条操編『日本方言学』 1953年に収録。)
- 「アクセントの分布と変遷」(大野晋・柴田武編『岩波講座 日本語11 方言』1977 に収録。)
- 「標準アクセント習得の方法」(『国語文化』3-12 1943年に収録。)
- 「東京アクセントの特徴は何か」(『言語生活』83 1958年に収録。)
- 「房総アクセント再論―グロータースさんの『千葉県アクセントの言語地理学的研究』を読んで―」(『国語学』40 1960年に収録。)
『金田一春彦著作集12―随筆編2―』に含まれている著書・論文は以下のとおりである。
- 『父京助を語る』(教育出版 1977年、補訂版1986年)
- 『垣通しの花』(音楽鑑賞教育振興会 1980年)
- 『ケヤキ横丁の住人』(東京書籍 1983年)[ただし、他の巻と重複するものは割愛]
- 『自然と人生』(三省堂 1991年)[ただし、他の巻と重複するものは割愛]
- 『わが青春の記』(東京新聞出版局 1994年)
6巻(2005年1月25日発行 玉川大学出版部刊 A5判縦組み 670ページ 8,500円+税 ISBN 4-472-01476-9)
7巻(2005年3月25日発行 玉川大学出版部刊 A5判縦組み 693ページ 8,500円+税 ISBN 4-472-01477-7)
8巻(2005年5月25日発行 玉川大学出版部刊 A5判縦組み 646ページ 8,500円+税 ISBN 4-472-01478-5)
12巻(2004年11月25日発行 玉川大学出版部刊 A5判縦組み 718ページ 8,500円+税 ISBN 4-472-01482-3)
佐藤喜代治博士追悼論集刊行会編『日本語学の蓄積と展望』
2003年5月に亡くなった佐藤喜代治氏の追悼論集である。三回忌を期して出版されたという。まず森岡健二、柴田武、築島裕による特別寄稿3編が掲げられ、さらに門下生による22編の論文がジャンル別に収められている。「日本語の動態」には、真田信治、下野雅昭、石井みち江、飛田良文、「音韻の諸相」には、加藤正信、佐藤亮一、浅田秀子、「文法研究の蓄積と展開」には、佐藤宣男、斎藤倫明、石神照雄、仁田義雄、小矢野哲夫、「文法史の展開」には、小松正、蜂谷清人、平林文雄、彦坂佳宣、「語彙史の視点」には前田富祺、佐藤武義、佐藤亨、遠藤好英、菊田紀郎、安部清哉といった筆者の論文が収録されている。巻末に「佐藤喜代治博士年譜并著作目録」がある。
題名・執筆者は以下のようになっている。
- [特別寄稿]
- 日本語会話文典(森岡健二)
- 対義語についての短い報告(柴田武)
- 國語史上における眞興の位置(築島裕)
- 【日本語の動態】
- 旧満州に残存する日本語―ある朝鮮族女性の談話―(真田信治)
- 移住と方言の受容―愛知県豊田市の生え抜きと転入者を対比して―(下野雅昭)
- 国語資料としての『翁問答』(石井みち江)
- 『改訂増補 哲學字彙』の版種(飛田良文)
- 【音韻の諸相】
- 合拗音クヮ残存地帯における知識層高年の保持様態と価値観―新潟県小千谷市を中心として―(加藤正信)
- アクセント調査における「読ませる調査」と「言わせる調査」―山形県三川町における小調査から―(佐藤亮一)
- 感動詞の音調表記法について―三線記譜法のすすめ〈「ああ」を例として〉―(浅田秀子)
- 【文法研究の蓄積と展開】
- 寛政版『和歌呉竹集』「てには大概」と『てには網引綱』―尾崎雅嘉のテニヲハ論―(佐藤宣男)
- 松下文法の活用論―文法論に原辞論は不要か―(斎藤倫明)
- 文の論理と体言文(石神照雄)
- 名詞文についての覚え書(仁田義雄)
- ディオンティック・モダリティをめぐって―言語行動の観点からの「しなければならない」の事例分析―(小矢野哲夫)
- 【文法史の展開】
- 語り手が顕在化した地の文―『源氏物語』と中世王朝物語―(小松正)
- 狂言「三人の長者」の諸台本に見る名ノリの指定表現の考察(蜂谷清人)
- 口語サ変動詞の助動詞「まい」への接続の実態解明(平林文雄)
- 中国地方における意志・推量形式の方言史―GAJと「田植草紙」との比較から―(彦坂佳宣)
- 【語彙史の視点】
- 語源研究における漢語(前田富祺)
- 古代歌語源流考―「青」を中心に―(佐藤武義)
- 上代の食物語彙―『風土記』を中心に―(佐藤亨)
- 平安時代の公家日記のことばの文章史的性格―「兼日」の語構造をめぐって―(遠藤好英)
- 広本節用集の典拠資料―田積・郡名表示を中心―に(菊田紀郎)
- 「背負う・担ぐ」語彙と『雑兵物語』の語彙の多元性・重層性―先行研究の再検討―(安部清哉)
- 佐藤喜代治博士年譜并著作目録
(2005年5月25日発行 明治書院刊 A5判縦組み 604ページ 18,000円+税 ISBN 4-625-43327-4)
石塚晴通教授退職記念会編『日本学・敦煌学・漢文訓読の新展開』
石塚晴通氏の北海道大学退職(2005年3月)を記念した論文集である。氏の略年譜・研究業績目録に続き、和漢仏書の研究調査、西域出土漢文写本と敦煌偽写本の研究調査、日本および中国周辺諸民族における漢文訓読の研究、漢字字体の研究などにわたる石塚氏の幅広い研究・関心領域を意識した論文が収録されている。論文は56編で、題名・執筆者は、以下のとおりとなっている。
- 訓点資料として見た漢文文献の諸相―陀羅尼部の訓点を手掛かりとして―(沼本克明)
- 訓読と翻訳―日本書紀の古訓―(木田章義)
- 古語拾遺の古訓点について―その年代性をめぐって―(月本雅幸)
- 蘇磨呼童子請問経における注釈と訓読(松本光隆)
- 尚書正義との関係から見た古文尚書平安中期点の問題(小助川貞次)
- 金剛寺一切経の古訓点本―『維摩経』を中心に―(金水敏)
- 辞書と材料―和訓の収集―(大槻信)
- 高山寺蔵新訳華厳経音義と宮内庁書陵部蔵宋版華厳経(池田証寿)
- 高野山性厳房宥快の講説とその聞書類について―金剛三昧院蔵大日経疏傳受抄に見える古辞書逸文を中心に―(土井光祐)
- 僧侶の書記用漢字―接続詞「これによりて」の用字から―(山本真吾)
- 中世における「心身不調」表現の諸相(伊原信一)
- 「すまひ(住)」用字考―宛字“住居”の慣用に至るまで―(漆崎正人)
- あらすじ過去と別人格―『法華百座聞書抄』のキ・ケリ―(福沢将樹)
- 新漢語の産出と近代漢文訓読(陳力衛)
- 文字番号および部首番号の起源と応用―『大字典』と華英辞典とRose-Innes―(高田智和)
- 標準語形使用率と鉄道距離重心(井上史雄)
- 談話における発話の相互関係とまとまり(野村眞木夫)
- 受身文の動作主マーカーについて(劉笑明)
- 日本文学(古典)の精神病理学(林美朗)
- 明治前期における中日漢詩文の交流(王宝平)
- 敦煌写本の書誌学的研究―近年の動向を踏まえて―(赤尾栄慶)
- 唐代楷書字体研究に果たした敦煌出土スタイン388番写本の役割―『正名要録』と『群書新定字様』―(西原一幸)
- 「無」・「无」字の問題系―『唐開成石経周易』における二字体(紅林幸子)
- ロシア所蔵ウイグル文「金剛般若経」断片一葉について(庄垣内正弘)
- 敦煌石窟におけるペン描き壁画―粛北五個廟第4窟を中心に―(劉永増)
- 敦煌文献によって展開された六朝隋唐注釈学―『毛詩音隠』を例に―(鄭阿財)
- 敦煌写本真偽弁別示例―法成の講じた『瑜伽師地論』の学生による筆記を中心として―(栄新江・余欣)
- 敦煌仏経の50巻本『華厳経』を探して(李丞宰)
- 日本の敦煌文学研究の成果と方法の考察(朱鳳玉)
- 閻崇璩『敦煌変文詞語匯釈』の検討および補(方一新)
- 《遊仙窟》俗語詞訓釈(黄征)
- 韻律と附加式二音節語の形成についての試論(王雲路)
- 敦煌学への自然科学的分析の導入(加藤雅人)
- 『大宋重修広韻』における掲出字と注内異体字との関わり(工藤祐嗣)
- 日本書紀における中国口語起源漢語の受容(唐煒)
- 『源氏物語』における儒家思想―第一部を中心にして―(陳明姿)
- 訓点資料として見た「長恨歌伝」「長恨歌」の訓読に関する一考察―金沢文庫本『白氏文集』巻十二所収の場合―(渡辺さゆり)
- バレト著「葡羅辞書」のキリシタン語学に於ける意義(岸本恵実・豊島正之)
- キリシタン版前期国字版本の平仮名活字について(白井純)
- 酒田市立光丘文庫所蔵慶応四年「土人共江申渡書」のアイヌ語について(佐藤知己)
- 英和兵語辞書について(朴均轍)
- 『飲氷室合集』にある日本借用語の性格(李運博)
- 広辞苑の漢字(小野芳彦)
- 『大漢語林』における漢字の一番目の意味記述に関する一考察(林立萍)
- 「どうせ」の用法の分析(菊地康人)
- 日本語の主題文の形成原理と情報構造(陳訪澤)
- 慣用句の翻訳による意味伝達の問題について(ボトーエフ=イーゴリ)
- 日韓推量形式の対応関係分析(尹相実)
- 「言語接触」の観点から見た日本語と朝鮮語(門脇誠一)
- 韓国漢字の表音字と表意字(朴盛鍾)
- 韓国の口訣(鄭在永)
- 漢字・漢文の韓国的受容―初期吏読と釈読口訣資料を中心に―(金永旭)
- 周本『華厳経』巻第六における点吐の重複表記と符号(朴鎮浩)
- 『瑜伽師地論』点吐口訣に関する一考察―口訣点の懸吐位置の細分と位置変異現象について―(張景俊)
- 韓国の角筆符号口訣と日本の訓点において存する華厳経の不読字について(尹幸舜)
- 16世紀韓日両国の論語理解(呉美寧)
(2005年5月27日発行 汲古書院刊 A5判縦組み 1154ページ 36,000円+税 ISBN 4-7629-3524-7)
小林芳規著
『角筆文献研究導論 上巻 東アジア篇』
『角筆文献研究導論 中巻 日本国内篇上』
『角筆文献研究導論 下巻 日本国内篇下』
『角筆文献研究導論 別巻 資料篇』
前著『角筆文献の国語学的研究』(汲古書院 1987年)以降、中国・朝鮮半島において、角筆文献が大量に発見されており、また、日本国内でも新発見がなされている。本書は、それを受けて、角筆文献に関する現段階での知見を総合的にまとめたものである。上巻では、第1章で中国、第2章で朝鮮半島の調査結果・新知見概要を記す。第3章では東アジアという枠組みで加点法を比較し、その中での日本角筆文献の位置を考えている。中巻は、第1章「奈良時代の角筆文献」、第2章「平安時代の角筆文献」……のように、時代別視点でまとめ、さらに第6章「古寺社及び個人文庫蔵の角筆文献」を収めている。下巻は、地域別視点からの考察と、近世の角筆文献研究の課題、筆記具としての角筆の探索などを扱っている。別巻は、前3巻に関連する影印、地図、研究文献目録などを収めている。
上巻(2004年7月30日発行 汲古書院刊 B5判縦組み 399ページ 20,000円+税 ISBN 4-7629-3514-X)
中巻(2004年9月17日発行 汲古書院刊 B5判縦組み 505ページ 20,000円+税 ISBN 4-7629-3515-8)
下巻(2004年10月25日発行 汲古書院刊 B5判縦組み 602ページ 20,000円+税 ISBN 4-7629-3516-6)
別巻(2005年6月10日発行 汲古書院刊 B5判縦組み 366ページ 20,000円+税 ISBN 4-7629-3517-4)
金沢大学法文学部国文学研究室編『ラホ日辞典の日本語 本文篇・索引篇』
本書は1967〜1973年に本文篇7冊・索引篇4冊の11分冊で刊行された同題書を、各篇ごとにまとめた2分冊構成で再刊したものである(旧刊は検索資料としての重要性を指摘されてきたが、入手困難となっていた。なお、再刊にあたって最終巻の正誤表により訂正がなされている)。本文篇では、『ラホ日辞典』のラテン語見出しの順に従い、それに関連して用いられているローマ字表記日本語の翻刻を行っている。(あくまで日本語が中心であり、『ラホ日辞典』それ自体の完全な翻刻がなされているものではない)。索引篇では、ローマ字表記日本語の単語をアルファベット順に並べ、それが本文のどこに出てくるかを数字で表している。この索引により、見出し語に対応する訳語以外の日本語、例えば、例文に用いられている日本語の単語も引けるようになっている。
(2005年6月10日発行 勉誠出版刊 A5判横組み 本文篇1033ページ・索引篇609ページ 2冊セット40,000円+税 ISBN 4-585-03137-5)
近代語研究会編『日本近代語研究4―飛田良文博士古稀記念―』
近代語研究会の第4論文集である。今回は、近代語研究に貢献してきた飛田良文氏の古稀記念論集となっている。同氏の履歴と研究業績目録を収録している。論文は38編で、執筆者は、飛田良文、木下哲生、杉本雅子、小野正弘、田中牧郎、小平友美、孫建軍、新野直哉、真田治子、佐藤武義、湯浅茂雄 、菊地悟、近藤尚子、村上雅孝、浅田秀子、エツコ=オバタ=ライマン、笹原宏之、貝美代子、今野真二、小椋秀樹、平沢啓、矢島正浩、鶴橋俊宏、服部隆、島田泰子、田貝和子、園田博文、申鉉竣、安部清哉、陳力衛、羅工洙、矢野準、彦坂佳宣、上野隆久、山田昌裕、樋渡登、小林千草、小林賢次となっている。
題名・執筆者・キーワードは以下のようになっている。
- 外来語研究の方法(飛田良文)
*キーワード:外来語、外来語研究史、外来語片仮名表記法、言海採収語類別表、『三省堂国語辞典』の外来語数 - 文芸作品における外来語「スーツ」(木下哲生)
*キーワード:外来語、スーツ、男女差、外来語と原語との差異 - 森鴎外「ヰタ・セクスアリス」における外来語―使用実態と特徴―(杉本雅子)
*キーワード:英・仏・独・羅語起源の外来語、抽象的な概念などを表す外来語、アルファベット表記 - 同語か、別語か?―「無念」の語史を通して―(小野正弘)
*キーワード:意味変化、同語、別語、「無念」、名付けの動機 - 「敏感」の誕生と定着―『太陽』コーパスを用いて―(田中牧郎)
*キーワード:語の誕生、語の定着、語彙体系、コーパス、「敏感」 - 「芸術」の語史(小平友美)
*キーワード:芸術、わざ、美の表現、西洋の技術・学問の受容、美学の受容 - 「義務」の成立(孫建軍)
*キーワード:義務、和製漢語、津田真道、西周、万国公法 - 続・“役不足”の「誤用」について(新野直哉)
*キーワード:役不足、「誤用」、意味変化、「日本語本」、「国語に関する世論調査」 - 現代の教科書に残る明治期学術漢語(真田治子)
*キーワード:哲学字彙、明治、学術用語、教科書、語彙調査 - 『〈万国航海〉西洋道中膝栗毛』の二著者の用語(佐藤武義)
*キーワード:仮名垣魯文、総生寛、異なる作者の用語差、用語の地域差 - 英和字彙系の一書、『新撰英和字典』の資料性について(湯浅茂雄)
*キーワード:英和字彙系、新撰英和字典、井波他次郎、明治期英和辞書、資料性 - 『和英語林集成』初版「和英」「英和」両部における語形のゆれ―字音・語構成等にかかわる異同―(菊地悟)
*キーワード:『和英語林集成』、「和英の部」、「英和の部」、ゆれ、語形 - 二つの「和英」(近藤尚子)
*キーワード:『和英語林集成』、『伊呂波字引 和英節用』、近代、外来語 - 『雅俗漢語訳解』の成立について(村上雅孝)
*キーワード:俗語解、雅俗漢語訳解、中国俗語 - 「擬音語・擬態語」の音韻とイメージの関係について(浅田秀子)
*キーワード:擬音語・擬態語、音韻、イメージ、清音・濁音、拗音・直音 - ビジネス界での固有名詞は日本語表記を変える(エツコ=オバタ=ライマン)
*キーワード:IT産業の固有名詞、会社名と製品名、文字表記、アルファベット文字/ABC文字、インターネットによる言語変化 - 「杁」にみる字体・用法の派生と字体の衝突(笹原宏之)
*キーワード:国字(日本製漢字)、いり、地名、尾張藩、幕府 - 国定読本の文語文―量的推移と短歌の採用―(貝美代子)
*キーワード:国定読本、文語文、短歌 - 春陽堂版『[禽獣/世界]狐乃裁判』管見(今野真二)
*キーワード:『狐乃裁判』、ヒとシと、単語を構成する漢字音、明治時代語の重層性 - 書簡文研究資料としての明治期女子用往来物(小椋秀樹)
*キーワード:明治期女子用往来物、候文体書簡文、定型表現、「参らせ候」、資料性 - 年齢層の言語の異同―明治期富山県議会速記録を資料として―(平沢啓)
*キーワード:明治期地方議会、速記、助詞、現代口語、年代差 - 条件表現の史的研究における「恒常性」―検証方法に関する一試案―(矢島正浩)
*キーワード:恒常性、一般性、個別性、条件表現 - 仮名垣魯文の戯作小説における推量表現(鶴橋俊宏)
*キーワード:推量、ウ・ヨウ、ダロウ、ノダロウ、仮名垣魯文 - 西周の文法研究における「句(Sentence)」(服部隆)
*キーワード:国語学史、ことばのいしずゑ、西周文書、名詞の格、従属節の法 - 連用における例示と程度―コンナニ類の程度副詞化―(島田泰子)
*キーワード:指示詞、サマ名詞、例示、類似、連用修飾 - 樋口一葉の小説作品における時の助動詞について(田貝和子)
*キーワード:樋口一葉、小説作品、時の助動詞、使用率 - 中国会話書に於ける「へ」と「に」―使い分けについての一考察―(園田博文)
*キーワード:「へ」格、「に」格、使い分け、明治初期、中国語会話書 - 近代日本語の補助形式による可能表現について(申鉉竣)
*キーワード:否定主導、意志動詞、人称、状況可能、能力可能 - 近世初期俳諧の語彙と方言分布(安部清哉)
*キーワード:近世初期、俳諧、方言、口語、『日本国語大辞典第二版』 - 『博物新編』の日本における受容形態について―新概念への対応を中心に―(陳力衛)
*キーワード:合信、理科教科書、元素名の相違、挿絵の継承、「空気」 - 近世・近代における中国語の指示代名詞「這般」の受容について(羅工洙)
*キーワード:中国俗語、指示代名詞、這般、漢字表記、受容 - 『両禿対仇討』の仮名遣い(矢野準)
*キーワード:仮名遣い、合巻、式亭三馬 - 東北人による『広八日記』『桑名日記』の合拗音表記―近世末期南奥地方の合拗音の残存可能性―(彦坂佳宣)
*キーワード:『桑名日記』、『広八日記』、近世後期、南奥方言、合拗音 - 江戸後期から明治期における「〜からのコトだ」と「〜からだ」―『春色英対暖語』と『三四郎』を資料として―(上野隆久)
*キーワード:から、確定条件、江戸、明治、接続助詞 - 原刊本『捷解新語』の「変」な主格表示「ガ」―十七世紀の日本語における位置づけ―(山田昌裕)
*キーワード:捷解新語、狂言資料、主格表示「ガ」、十七世紀の日本語表現 - 洞門抄物から見た疑問詞疑問文について(樋渡登)
*キーワード:疑問詞疑問文、洞門抄物、体言性述部、用言性述部、終助詞ナ - 戦国文書『大かうさまぐんき』と狂言「萩大名」―『大かうさまぐんき』の国語史的注釈から―(小林千草)
*キーワード:『大かうさまぐんき』、太田牛一、国語史的注釈、狂言「萩大名」、はんべりさふらひし - 大蔵虎明本における狂言詞章の伝承と改訂(小林賢次)
*キーワード:大蔵虎明本、狂言詞章、本文注記、伝承と改訂
(2005年6月13日発行 ひつじ書房刊 A5判縦組み 381+217ページ 40,000円+税 ISBN 4-89476-234-X)
佐藤琢三著『自動詞文と他動詞文の意味論』
日本語の自動詞文と他動詞文に関わる諸問題を意味論的な観点から考察したものである。意味と形式の対応関係が単純ではないものに着目し、その実質を探るという方法をとっている。全体は4部に分かれる。第1部「自動詞ナルの諸相」では、「ナル」を主体の背景化という機能から説明する。また、「ナッテイル」「モヨウ」も扱う。第2部「変化他動詞文と多義性」では、「太郎は家財道具を焼いた」などの変化他動詞文が多様性を持つことを指摘し、その成立条件を分析し、メトニミーの観点から統一的に把握する。第3部「他動詞文と形式動詞」では、「ヤル」と「スル」の違い、「青い目をしている」型の文について論じる。第4部「自他対応と動詞体系」では、動詞自他対応についての意味構造を主に他動詞を中心に見ていく。また、ヴォイスと自他の関係について論じる。
章立ては以下のようになっている。
- 第1部 自動詞ナルの諸相
- 第1章 自動詞ナルと主体の背景化
- 第2章 ナッテイルによる単純状態の叙述
- 第3章 モヨウの報告用法(第1部補説)
- 第2部 変化他動詞文と多義性
- 第4章 介在性の他動詞文
- 第5章 「切っても切れない」について
- 第6章 変化他動詞文の多義性とメトニミー
- 第3部 他動詞文と形式動詞
- 第7章 他動詞文としてのスルとヤル
- 第8章 「青い目をしている」型構文
- 第4部 自他対応と動詞体系
- 第9章 動詞の自他対応の意味構造
- 第10章 ヴォイスの中核としての自他対応
(2005年6月15日発行 笠間書院刊 A5判横組み 217ページ 2,800円+税 ISBN 4-305-70295-9)
滝浦真人著『日本の敬語論―ポライトネス理論からの再検討―』
敬語論の思想史的捉え直しを行い、ポライトネス理論を検討して、「敬語とは何か」という問いに答えようとしたものである。敬語とは「距離」の表現であると結論づけ、語用論的な理論化の可能性を示唆している。第1部「敬語の思想史―〈敬意〉と〈関係認識〉の相克―」では、主に明治以降の敬語研究史を、敬語を「美しい心の働きのあらわれ」と捉える〈敬意〉の敬語論(山田孝雄らによる)と、敬語を「人間関係の認識のあらわれ」とする〈関係認識〉の敬語論(時枝誠記らによる)の流れに整理し、〈敬意〉派が主流であった背景と、〈関係認識〉派の再評価すべき点を論じる。第2部「ポライトネスと敬語―人間関係と〈距離〉―」では、ポライトネス理論を導入して敬語を語用論的に扱う可能性を探る。第3部「敬語の語用論のために」では、ポライトネス概念の枠組みにおいて〈敬意〉派と〈関係認識〉派の止揚をはかるとともに、ウチソト関係を処理するために久野?ワの「共感度」という概念を援用し、敬語の語用論を展開する。
部立ては以下のようになっている。
- 第1部 敬語の思想史――〈敬意〉と〈関係認識〉の相克
- 第2部 ポライトネスと敬語――人間関係と〈距離〉
- 第3部 敬語の語用論のために
(2005年6月15日発行 大修館書店刊 B6判縦組み 315ページ 2,000円+税 ISBN 4-469-22171-6)
久野マリ子著『日本方言基礎語彙の研究』
本書は、『現代日本語方言大辞典』の編集において現れた様々な問題を扱ったものである。第1章「方言基礎語彙研究のために」は、方言基礎語彙研究の流れ、調査項目として方言基礎語彙が定められるまでの経緯について述べている。第2章「近畿方言の方言基礎語彙」では、奈良県十津川村方言の記述を行う。また、兵庫・奈良・和歌山方言における人体語彙の特徴を述べる。第3章「北奥羽方言の方言基礎語彙」では、北奥羽方言の人体語彙や「いじわる」に関する語彙を取りあげる。第4章「人体語彙の意味記述」は、人体語彙の調査項目を整理・分類し、意味の変遷や記述を行う。第5章「琉球方言の方言基礎語彙」は、宮古方言の人体語彙、八重山諸方言の「作る」「こしらえる」、琉球方言の視点移動表現について述べる。第6章「語彙の対照研究」は範囲を絞った対照研究で、モンゴル語、北京語、ポルトガル語が扱われている。
章立ては以下のようになっている。
- 第1章 方言基礎語彙研究のために
- 第2章 近畿方言の方言基礎語彙
- 第3章 北奥羽方言の方言基礎語彙
- 第4章 人体語彙の意味記述
- 第5章 琉球方言の方言基礎語彙
- 第6章 語彙の対照研究
(2005年6月30日発行 おうふう刊 A5判横組み 414ページ 8,000円+税 ISBN 4-273-03334-8)