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学会名称問題に関する意見欄:寄せられた意見
最終更新:2002年8月1日
受理日順、敬称略
002 蜂矢真郷(大阪大学教授)
学会の分裂を避けるために
代表理事山口佳紀氏による「学会運営についての報告(2002年度春季大会)」(「国語学」53−3〔210〕にも掲載)の「(三)学会の名称問題について」について、2002年5月18日(土)の評議員会および会員総会で、私は次のように述べた。
「[参考]既に挙げられている主要な論点」として挙げられている意見の中で、次の二つが重要であると思われる。《改称に賛成するもの》の「(ウ)日本語教育に関わる日本語研究の分野、あるいは現代語研究の分野では「日本語学」を、歴史的研究の分野では「国語学」を使う傾向が強くなりつつあり、「国語学」という名称がかつて有していた包括性が失われてきている。」と、《改称を批判するもの》の「(ア)学の名称として、文献学的な日本語研究には「国語学」を、言語学的な日本語研究には「日本語学」を当てるべきものであり、学会の名称としては、前者が「国語学会」に、後者が「日本語学会」に対応する。したがって、単純に「国語学会」を「日本語学会」に改称すべきではない。」とである。
これらの意見に見られる状況の中で、「日本語学会」に名称変更されれば、学会をやめるという人が現にいる。別に学会を作るという人もいる。
学会の名称を「国語学会」か「日本語学会」かという二者択一にすれば、学会は分裂するしかないであろう。分裂を避けるには、第三の名称を考えるべきである。
凡そこのように述べたことについて、山口氏から「限られた人間しか聞いていなかったので、広く紹介したら」と勧められたので、改めてここに記すことにする。
(2002年7月24日受理)