〓〓〓日本語学会からのお知らせ 第226号(2023年1月13日)〓〓〓 ※本メールアドレスは配信専用のため,ご返信いただけません。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ■ 2023年頭 会長挨拶 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 日本語学会会員の皆様,2023年の年頭にあたり,ひとこと御挨拶を申し上げます。 昨年は,それまでの新型コロナ感染症まん延に加え,2月からは欧州で新たな戦争が勃発し,世界的な危機の状況が生まれ,さまざまな社会の変動に対応を迫られる一年となりました。国内においても,日本経済の悪化から,学術の世界,特に人文科学研究に対して逆風を感じざるを得ない状況が続いています。 その中で,日本語学会は,2021年に引き続き,順調にオンラインによる大会を行い,また,機関誌も予定通り刊行することができました。それを支えてくださっている会員の皆様,関係する委員の皆様には,心より感謝申し上げます。オンラインになってからは,特に大会運営について,オンラインの運営技能を持つ多くの若い会員の方々からご協力を得て,大会の運営をすることができています。この点について,特に感謝申し上げたく思います。 さて,今期執行部では,ひとつの課題として,機関誌の国際化に取り組んでおります。幸い準備も進行し,今,論文の募集を行っております。ぜひとも多くの会員の方からの御投稿をお願い申し上げます。また,今回の機関誌では,日本語単独の研究だけでなく,アイヌ語や日本手話などの他言語との対照研究・関連研究も積極的に募集しております。これは,文化庁の呼びかけている「消滅の危機にある言語・方言」研究の取り組みの一環でもあり,これらとの対照研究の中で,日本語研究全体をより深化させていくという意図によるものです。 また,もう一つの課題であるジュニア研究者育成については,第1回中高生日本語研究コンテストを無事に開催することができ,全国の中高生や,担当された国語科の教員の皆様からのご支持を得ることができました。こちらも長い目で見て,日本語研究の範囲拡大に繋げていけることを期待しております。 ところで,2023年の言語研究の焦点のひとつにAI(人工知能)の高性能化があると思われます。2022年末にアメリカで公開されたチャット型のAIは,その,自由自在に多言語を操って,知的作業をこなす様子に,皆が驚嘆しましたが,2023年内にはその数倍の高性能化がアナウンスされています。AIが日本語を自由自在に駆使する時代に,日本語学・言語学は何をどう研究すべきかという大問題が,目前にやってきています。これから数年はその衝撃に対応することが,多くの学術界と同様,日本語学のひとつの重要な課題になると予測しています。  すでに公表されていますように,2023年の春季大会は基本的に対面大会(一部ハイブリッド予定)で,東京で開催する予定でおります。また,オンライン大会の便宜性を考え,秋季大会については,オンラインでの開催を予定しております。新型コロナ感染症は簡単にはなくなることはないと思われますので,今後も,両面からの大会運営が必要と思われますが,運営コストの面もあり,さらによく検討してまいりたく思います。 本年が,皆様にとってよい一年となりますように,心からお祈り申し上げます。  2023年1月吉日                     日本語学会会長         近藤泰弘 ―――――――――――――――――――――――――――――― 「日本語学会からのお知らせ」(会員向け一斉メール)   バックナンバー https://www.jpling.gr.jp/kaiin/infomail/backnumber/   配信停止・配信先変更は,マイページにてご登録ください。   マイページ https://iap-jp.org/jpling/mypage/   ―――――――――――――――――――――――――――――― 日本語学会HP https://www.jpling.gr.jp/   Twitter  https://twitter.com/sjl_dig/   Facebook https://www.facebook.com/society.for.japanese.linguistics/ ――――――――――――――――――――――――――――――