日本語学会2018年度秋季大会プログラム
lastupdate 2018/10/4

日時

 2018年10月13日(土) 12時30分-19時30分(会長就任特別企画,口頭発表,懇親会)

 2018年10月14日(日) 9時50分-16時00分(ブース発表,大会式典,シンポジウム)

 

場所

 岐阜大学 (〒501-1193 岐阜市柳戸1-1)

 →交通案内のページへ

 

会場校委員

 佐藤貴裕(委員長)・山田敏弘・小林一貴・好川聡・小川陽子・橋本行洋(花園大学)

 

共催

 岐阜大学

 

後援

 (公益財団法人)岐阜観光コンベンション協会

 

【重要】

 大会2日め(14日(日))は,全学共通教育棟にて,終日,漢検(日本漢字能力検定協会)の検定試験が行われることになりました。交通・昼食などの点で困難が予想されますこと,ご了承ください。

 

 

全体スケジュール

10月13日(土)

11時30分 受付開始

教育学部 B棟 1階 ピロティ

12時30分-13時10分 会長就任特別企画

教育学部 B棟 1階 B107講義室

13時30分-17時40分

①13時30分-14時10分

②14時20分-15時00分

③15時10分-15時50分

④16時10分-16時50分

⑤17時00分-17時40分

口頭発表

A会場(教育学部 B棟 1階 B102講義室)

B会場(教育学部 B棟 1階 B104講義室)

C会場(教育学部 B棟 1階 B107講義室)

D会場(教育学部 B棟 2階 B202講義室)

18時00分-19時30分 懇親会 生協第2食堂

 

10月14日(日)

9時20分

受付開始

教育学部 B棟 1階 ピロティ

9時50分-11時30分

①9時50分-10時35分

②10時45分-11時30分

ブース発表

E会場(教育学部 B棟 1階 B102講義室)

F会場(教育学部 B棟 1階 B101講義室)

G会場(教育学部 B棟 1階 B104講義室)

12時30分-12時50分 大会式典

教育学部 B棟 1階 B107講義室

13時00分-16時00分 シンポジウム

教育学部 B棟 1階 B107講義室

 

10月13日(土)

会長就任特別企画 [教育学部 B棟 1階 B107講義室] 12時30分-13時10分

会長対談―田窪行則氏を迎えて―

日本語学会会長 金水敏,国立国語研究所所長 田窪行則

 

口頭発表 [教育学部 B棟] 13時30分-17時40分

 

A会場[教育学部 B棟 1階 B102講義室]

①「なんやしこいつ!」―岐阜方言における終助詞「シ」の用法拡張―

 吉田健二(愛知淑徳大学),辻咲希

②読みがたりむかし話資料にみる素材待遇形式―関西方言における分布と運用の特徴―

 酒井雅史(大阪大学)

③淡路方言の系統的位置と方言区画

 中澤光平(国立国語研究所)

④南琉球宮古語池間方言における4つの条件形式について

 陶天龍(東京外国語大学学生)

⑤鹿児島県喜界島方言の尊敬語―主語尊敬と聞き手尊敬の関係―

 荻野千砂子(福岡教育大学)

 

B会場[教育学部 B棟 1階 B104講義室]

①弔辞における「君」の文脈指示用法

 利岡真帆(関西大学学生)

②平安時代の字書・辞書間における義注・訓注の重なりについて

 李媛(京都大学),藤本灯

③行頭の仮名字体―後期読本の稿本と板本の比較を通して―

 市地英(大阪大学学生)

④東丸神社所蔵の方言声点資料について

 中村明裕

⑤西海道乙類風土記の音韻と語法について

 森博達(京都産業大学)

 

C会場[教育学部 B棟 1階 B107講義室]

①上代語助詞ヤによる構文―「係」と「間投」と―

 山田伸武(大阪大学学生)

②接続表現サラバの挨拶表現化―「指示性の不明瞭化」と「場面展開機能の発達」―

 川村祐斗(名古屋大学学生)

③「なので」の接続詞化とその用法について

 尾谷昌則(法政大学)

④近世後期の尾張周辺地域方言における「ラ抜き言葉」の成立について

 三宅俊浩(名古屋大学学生)

⑤近世後期洒落本に見る行為指示表現の地域差―京・大坂・尾張・江戸の対照―

 森勇太(関西大学)

 

D会場[教育学部 B棟 2階 B202講義室]

①旧満洲国公主嶺における日本人の言語経験―終戦を境にした言語使用状況のパラダイムシフト―

 甲賀真広(首都大学東京学生)

②品詞構成比率の変動と相互連関―コーパスを用いた「樺島の法則」の再検討―

 鯨井綾希(上越教育大学)

③第三者敬語の待遇レベルの数量化(完成版)

 荻野綱男(日本大学)

④私的領域文の人称制限とその解除の実態―名大会話コーパスの調査から見えること―

 古賀悠太郎(台湾・静宜大学)

⑤もう一種の「文法カテゴリーを重視するアプローチ」について

 張麟声(大阪府立大学)

 

懇親会 [生協第2食堂] 18時00分-19時30分

会費: 事前申し込み(10月3日(水)まで) 一般 5,000円 学生 3,000円 /当日申し込み 一般 6,000円 学生 4,000円

 

※事前申し込みは締め切りました。

 

10月14日(日)

ブース発表 [教育学部 B棟] 9時50分-11時30分

①9時50分-10時35分
E会場[教育学部 B棟 1階 B102講義室]
  • 『現代日本語書き言葉均衡コーパス』の新聞・書籍・雑誌データに対する分類語彙表番号付与

    加藤祥(国立国語研究所),浅原正幸,山崎誠

F会場[教育学部 B棟 1階 B101講義室]
  • 訓点資料電子化の取り組み―ヲコト点データベースの試作を例に―

    堤智昭(東京電機大学),高田智和,田島孝治,小助川貞次

  • 国定教科書のコーパス構築と公開

    服部紀子(国立国語研究所),間淵洋子,近藤明日子,小木曽智信

G会場[教育学部 B棟 1階 B104講義室]
  • ハンセン病療養所特有の語彙・表現

    山根智恵(山陽学園大学),朴珍希

  • Twitterで用いられる形容詞を語基とした接尾辞ミとサ―意味的差異から見た用法の差異―

    宇野和(お茶の水女子大学学生)

  • 福祉言語学的研究としてのパラオ語日本語借用語辞典の作成

    今村圭介(東京医科歯科大学)

  • 日中比較文の対照研究

    李波(中国・上海対外経貿大学)

 
②10時45分-11時30分
E会場[教育学部 B棟 1階 B102講義室]
  • 『日本語歴史コーパス』4作品に対する分類語彙表番号付与とその分析

    浅原正幸(国立国語研究所),加藤祥,鈴木泰,池上尚

F会場[教育学部 B棟 1階 B101講義室]
  • 『国語年鑑』図書データ及び韓国学会誌データ追加による「日本語研究・日本語教育文献データベース」の拡張

    八木下孝雄(国立国語研究所),早田美智子,高田智和

  • 「オックスフォード・NINJAL上代語コーパス」の公開

    スティーブン・ライト・ホーン(国立国語研究所),鴻野知暁,アラステア・バトラー,小木曽智信,ビャーケ・フレレスビッグ

G会場[教育学部 B棟 1階 B104講義室]
  • 観智院本『類聚名義抄』全文テキストデータベース構築の方法

    池田証壽(北海道大学),劉冠偉,鄭門鎬,張馨方

  • 『BTSJ日本語自然会話コーパス2018年版』における一人称・二人称代名詞の使用実態

    宇佐美まゆみ(国立国語研究所),山崎誠

  • 国際化する大阪道頓堀の多言語景観の経年調査

    磯野英治(名古屋商科大学),上仲淳,田中真衣

 

《昼休み》 11時30分-12時30分

 

大会式典 [教育学部 B棟 1階 B107講義室] 12時30分-12時50分

 会長挨拶   金水敏

 会場校挨拶   森脇久隆(岐阜大学長)

 『日本語学大辞典』刊行の辞  月本雅幸(『日本語学大辞典』編集委員長)

 学会賞授賞式

 

シンポジウム [教育学部 B棟 1階 B107講義室] 13時00分-16時00分

 日本語の先端的な動向の解明と,そのための新しい資料論

   趣旨

 日本語は日々変化してやまない“生き物”である。最先端の日本語の動向は,長期的に見れば日本語の歴史的変化を形作る重要なステップのひとつとなる場合もあり,その意味において,共時論的な立場からの関心にとどまらず,通時論的価値もまた見出されてよい。しかし,その実態は,規範意識による矯正や校閲による修正などを経て公刊される出版物等の一般資料には姿を現しにくく,観察に適するのは位相的に限られた資料であるという,資料論的な制限がつねにつきまとう。そして,そのような最先端の動向を新聞・雑誌等を通じて観察せざるを得なかった時代は,それが一般化・定着して社会に認識されるまでには一定のタイムラグがあった。

 しかし,インターネットの普及した今日,状況は一変した。かつてなら個人の日記や手紙・メモ等のドメスティックな資料に現れていた言語変化の萌芽は,ウェブ上のブログや掲示板,ツイッター等の個人による発信の場に姿を現すこととなり,それによって今や誰もがこれをリアルタイムで容易に知ることができるようになった。さらに,それらに対する自らの意識や意見をもウェブ上に発信できるようになったことで,メタ的な言及を通じた規範意識の観察もより多角的に行い得る時代となった。同時に,それらウェブ上の言語資源を取り込んだコーパスデータの構築も進められ,そういった新たなメディアを活用した研究は,近年,次々と発表されている。

 その一方で,用例検索の便宜に秀でたこれらの資料を用いた日本語研究は,ともすれば「安易である」との批判を受けがちであり,また,脱規範的な新語・新用法という研究対象自体が,「卑俗である」として軽視されがちなことは事実である。確かに、データベースやコーパスの導入により,かつてと比べて用例採集の労苦は驚異的に軽減されたが,その反面,これらの資料の特性に対する十全な理解を欠いた危うい研究成果が散見されることも否めない。

 今日的な新しい言語資料における資料論,例えばコーパスの均衡性が均質性と裏腹であることへの配慮,または個々の用例にどこまで代表性を認めるかといった問題,あるいは、ウェブ上での用例について言語使用者の属性をどのように見極め分析において勘案するか・そもそもし得るのか,という課題,つまりかつて「国語史資料論」と呼ばれた分野に相当する新たなるフィロロジーが,必要とされる時代が到来していると言えよう。そしてそれは,これまでのフィロロジーと対立的に対峙するものでは決してなく,ウェブ上の新資料等との対比によって,従来の資料の特性をいわば逆照射的に問い直すものでもあり,それらを総合的に総括する議論が待たれるところである。

 本シンポジウムでは,上述の問題意識に基づき,日本語の先端的な動向の解明と,さらにそのための最先端の資料論として、以下のような問題提起を行い,議論を試みたい。

 

   パネリストの発表タイトルとキーワード

①岡田祥平(新潟大学)「現代における〈先端的な動向の解明〉のための言語資料―Twitter と「質問サイト」を例に考える―」

  キーワード:位相,言語意識,IME(Input Method Editor)

②浅川哲也(首都大学東京)「そのテキストに信頼性はあるのか─書き間違い・打ち間違い・意図的改変─」

  キーワード:れれる言葉,テキストの改変,コーパスの誤り

③岡島昭浩(大阪大学)「過去における〈先端的な動向の解明〉のために」

  キーワード:自筆性,ことばとがめ,アーカイビング

 

   司会

     島田泰子(二松学舎大学),新野直哉(国立国語研究所)

   企画担当

     島田泰子(二松学舎大学),新野直哉(国立国語研究所)

(2018年8月22日掲載)

 

 

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