日本語学会2023年度春季大会
lastupdate 2023/6/12

 

日時

 2023年5月20日(土) 口頭発表(13時30分~17時40分)

 2023年5月21日(日) ワークショップ,ポスター発表,学生セッション,大会式典,会員総会,シンポジウム(9時30分~17時00分)

 

場所

 青山学院大学 青山キャンパス

 

  〒150-8366 東京都渋谷区渋谷4-4-25 アクセスマップ

 

プログラム

 2023年度春季大会プログラムのページをご覧ください。

 予稿集PDF版は大会プログラムページに掲載します。

 

共催

 日本近代語研究会日本方言研究会

 

大会参加

 参加には事前の参加申し込みが必要です。事前参加申し込み・参加費支払いは以下のサイトから行ってください。

 

  日本語学会2023年度春季大会参加申込フォーム(外部サイト)

  参加受付締切 5月16日(火)23:59
  参加費のコンビニ決済を希望される場合は,5月15日(月)23:59までに参加受付をしてください。

 

 【参加費】(会員・非会員の区別なくご参加いただけます)

  一般(専任職にある方) 3,000円

  特別(専任職にない方) 2,000円

 

※参加費は,事前参加申し込みの後,クレジット決済またはコンビニ決済にてお支払いください。

※受付後に「日本語学会2023度春季大会参加申込フォーム」から発行される「日本語学会2023年度春季大会参加証」をプリントアウトの上、線に沿って切り取っていただき、会期当日に会場へご持参ください。

 

大会時のサポート制度

 日本語学会では,大会時のサポート制度として,(a)手話通訳,ノートテイキング等の利用の際の補助金制度,(b)託児補助金支給制度を設けています。制度の詳細は,こちらをご覧ください。各制度をご利用の方は,(a)は2023年4月21日(金)まで,(b)は2023年5月12日(金)までにお申し込みください。

 

書籍展示

 20日(土)と21日(日)の両日,出版社による書籍の展示が行われます。

 会場:17号館5階ラウンジ2

 

大会実行委員

 澤田淳(実行委員長),*庵功雄,*石黒圭,遠藤佳那子,大江元貴,***岡田一祐,*小木曽智信,*田中啓行,*田中祐輔,**野間純平,三樹陽介,*宮澤太聡,***村山実和子,**八木下孝雄,**山田昌裕 (*大会企画運営委員兼任,**事務局委員兼任,***広報委員兼任)

 

 

大会企画

ワークショップ0(ゼロ)概要

 コミュニケーションとしての日本語の研究の広がり

 

  趣旨

 日本語を、言語の構造や体系としてだけではなく、具体的な社会生活におけるコミュニケーションとして捉え直すことの重要性を改めて提示したい。こうした考え方に基づく研究は、語用論、社会言語学などにおいても進められてきているが、「ことば」の研究を、人と人との「人間関係」や「場」の認識に基づくコミュニケーション行為の研究として捉えることによって、日本語研究そのものの射程の広がりを考える機会となるだろう。

 今回のワークショップでは、具体的なテーマとして、「待遇コミュニケーションという捉え方―「イタダク系表現」の重要性」(蒲谷宏氏)、「日本語学習者にとっての敬語コミュニケーション」(徳間晴美氏)、「日本人大学生にとっての敬語コミュニケーション」(熊谷智子氏)の三つを取り上げ、「敬語」や「敬語表現」をコミュニケーションとして捉え直すことで、日本語の研究や教育への広がりを検討する。

 

  登壇者

   蒲谷宏(早稲田大学)

   徳間晴美(明治学院大学)

   熊谷智子(東京女子大学)

 

  司会

   李婷(日本大学)

 

※ワークショップ0は,日本語学会の今後の開拓分野を示すという目的をもって企画するものです。日本語研究の隣接領域や日本語学会では発表応募の少ない分野を積極的に取り上げ,日本語学会の大会が多様な研究領域の交流の場となることを企図するとともに,そうした多様な研究領域からの発表応募を促すことをめざします。

 

シンポジウム概要

 情報技術と大規模テキスト資源がひらく日本語史研究

 

 ※本シンポジウムは、日本語学会YouTubeチャンネルでライブ配信をいたします。

  趣旨

 日本語の歴史研究では比較的早い時期から研究者によるコンピューターの利用が進められ、情報技術の発達とともに進化・深化を続けてきた。1980年代にはすでに古典資料の電子テキスト化の先駆的な取り組みが行われていたが、1990年代にはテキストデータ利用が一般化し、1992年の国語学会(現日本語学会)の春季大会のテーマ発表では「国語研究資料の「電子化」とその利用」が取り上げられている。2000年代になると『太陽コーパス』などの構造化されたテキストコーパスが公開され、2010年代には『日本語歴史コーパス』などの形態論情報付きのコーパスの利用が広まった。この間、データ形式も高度化し、データの規模が拡大するにつれて、その構築や活用に必要とされる技術もそれに応じて高度化してきた。

 そして今日、深層学習に支えられる自然言語処理技術の発達により、日本語史研究に利用可能なデータや技術が一段と発達している。データの面では、国立国会図書館(NDL)が2021年度に、その時点で国立国会図書館デジタルコレクションから提供していたほぼ全ての明治期以降に刊行された活字のデジタル化資料約247万点(2億2300万画像)を、資料の読み取りに最適化したOCRでテキスト化する事業を実施するとともに、明治期以降の活字資料に対応したOCR(NDLOCR)の開発も行い、オープンソース(CC BY 4.0)で公開した。これらの成果物のうち、著作権保護期間の満了した図書資料28万点から作成した巨大なテキストデータについては、次世代デジタルライブラリー(https://lab.ndl.go.jp/dl/)を通じてダウンロード可能となっている。また、国立国会図書館デジタルコレクションでの全文検索やNDL Ngram Viewer(https://lab.ndl.go.jp/ngramviewer/)を通じて、ブラウザ上からも利用できる。このように、テキスト資源として利用可能なデータの規模がここ数年で飛躍的に大きくなっている。

 また、自然言語処理の分野では深層学習の出現により、単語の意味を分散表現という低次元の密なベクトルで数値化して扱うことが可能になった。その後、ニューラルネットワークの構造の改良により、単語ごとの意味ベクトルだけではなく、出現する文脈に応じた意味ベクトルを得て、語の多義性を考慮した意味の計算ができるようになった。さらに現在では、大規模言語資源から作成した事前学習モデルによって、さまざまなタスクを同じモデルの微調整によって解くことができるようになっている。これらの知見を利用し、歴史的な資料を対象とした言葉の意味の判定システムや、言葉の意味の通時的な変化の解析システム、また古文から現代文への翻訳などの成果を上げつつある。

 本シンポジウムでは、コーパスを活用した日本語史研究に取り組む若手研究者と、国立国会図書館で大規模データの構築・公開を進める図書館情報の研究者、そして深層学習技術を用いた古文の解析に取り組む自然言語処理の研究者をパネリストに迎え、それぞれの分野での知見をご発表いただく。これらの発表を踏まえ、新しい日本語史研究のありかたについてフロア参加者とともに議論したい。

 

  パネリスト

   大川孔明(日本学術振興会)

   青池亨(国立国会図書館)

   古宮嘉那子(東京農工大学)

 

  企画担当

   小木曽智信(国立国語研究所)

   北﨑勇帆(高知大学)

 

(2022年12月23日掲載/2023年6月12日更新)

Copyright © 2014 日本語学会 All Rights Reserved.