日時
2022年5月14日(土) 口頭発表,大会式典,懇親会(9時00分~19時00分)
2022年5月15日(日) ワークショップ,ポスター発表,学生セッション,シンポジウム(9時30分~17時00分)
場所
オンライン
日本語学会2022年度春季大会専用プラットフォームサイト
プログラム
2022年度春季大会プログラムのページをご覧ください。
予稿集PDF版は大会プログラムページに掲載します。
共催
大会参加
参加には事前の参加申し込みが必要です。事前参加申し込み・参加費支払いは以下のサイトから行ってください。
日本語学会2022年度春季大会参加申込フォーム(外部サイト)
参加受付締切 5月10日(火)24:00
※参加費のコンビニ決済を希望される場合は,5月9日(月)24:00までに参加受付をしてください。
【参加費】(会員・非会員の区別なくご参加いただけます)
一般(専任職にある方) 2,500円(通常3,000円)
特別(専任職にない方,学生もこちら) 1,000円(通常2,000円)
※参加費は,事前参加申し込みの後,クレジット決済またはコンビニ決済にてお支払いください。
大会時のサポート制度
日本語学会では,大会時のサポート制度として,(a)手話通訳,ノートテイキング等の利用の際の補助金制度,(b)託児補助金支給制度を設けています。制度の詳細は,こちらをご覧ください。各制度をご利用の方は,(a)は2022年4月15日(金)まで,(b)は2022年5月6日(金)までにお申し込みください。
書籍展示
※今大会の書籍展示期間は終了しました。
大学院研究科展示
※今大会の大学院研究科展示期間は終了しました。
大会実行委員
*北﨑勇帆(実行委員長),*石黒圭,***内田宗一,遠藤佳那子,*大田垣仁,***岡田一祐,*小木曽智信,**白岩広行,*田中啓行,*平塚雄亮,*松浦年男,三樹陽介,**八木下孝雄,**山田昌裕,*山本真吾 (*大会企画運営委員兼任,**事務局委員兼任,***広報委員兼任)
大会企画
ワークショップ0(ゼロ)概要
日本語の時空間変異における複数形の多義
趣旨
日琉語族の諸方言には複数の意味を表す形態素がいくつか報告されている。具体的には,タチ,ラ,ドモ,キャなどが挙げられる。本ワークショップでは,これらの複数標識の形式的・意味的多様性について,以下の問いに答える。(1)日本列島を見渡したときに,どのような形式の複数標識が存在し,それらはどのような地理的分布を示すのか。(2)それらの複数標識が表す機能にはどのような多様性と制約があり,それらは他言語の複数標識とどのような共通点・相違点を持つのか。(3)それらの複数標識の前に位置する名詞・代名詞の種類にはどのような傾向があるのか。
さらに,本ワークショップでは,上代日本語の「ラ」の用法などに観察されている複数標識の多義性に対し,「意味地図」の手法を用いた類型論的な分析を提案する。それにより,従来の恣意的な意味分類を制限することの意義(および限界)を述べる。
発表者
新永悠人(弘前大学)
上林葵(志學館大学)
平塚雄亮(中京大学)
司会
平塚雄亮(中京大学)
※ワークショップ0は,日本語学会の今後の開拓分野を示すという目的をもって企画するものです。日本語研究の隣接領域や日本語学会では発表応募の少ない分野を積極的に取り上げ,日本語学会の大会が多様な研究領域の交流の場となることを企図するとともに,そうした多様な研究領域からの発表応募を促すことをめざします。
シンポジウム概要
文献資料を読む―中世語研究の継承と展開―
趣旨
日本語史研究における近年の動向として,「日本語歴史コーパス」の構築,方言研究の成果や通言語的な知見の援用など,新規の方法が次々と開拓されていることが挙げられる。一方,こうした新手法隆盛の陰に,その意義に改めて光を当てるべき営みがある。それは,日本語史研究の始発であり,過程であり,時に最終目的でもある,文献そのものを観察することから出発し,文献を正確に読んで理解するという営為である。これは,研究の材料となるテキストの更新や拡張に与るだけでなく,日本語史研究の諸領域の広がりと深化を促す原動力ともなった。
室町時代から江戸時代初期にかけての日本語を対象とする研究は,和歌や各種の物語,芸道の書,漢籍・仏典関係書等の,基本的には文語規範を墨守する文献群に加え,抄物,狂言台本,キリシタン資料を中心とする外国資料といった,著述の目的自体に口語の反映が織り込まれた文献群が存在することで,共時・通時両面から多様な分析が試みられてきた。これらの文献群が切り取る日本語は口語性という緩やかな共通点を有しながらも,成立の時期や地域及び個々の文献の性格に由来する多様性を含み持っている。それゆえ,文献に対する理解の深化と言語事象の解釈とを緊密に連環させつつ研究が進展してきた。その結果,この時期の言語は,社会階層や文体,地域性の面において立体的な像を以て我々の前に立ち現れることとなったのである。語学的研究の側から,文学・芸能・史学の研究に寄与する知見が多くもたらされたのも故なしとしない。
自身で文献資料を読み解き,資料に内在する問題を見出して掘り起こすといった作業は,天草版の『平家物語』や『伊曽保物語』,虎明本狂言集など,すでに主立ったテキストと検索手段が提供されている昨今においては迂遠な作業と感じられるかも知れない。しかし,文字・表記,音韻,文法,語彙,文体,言語生活等の幅広い裾野を有する日本語の史的研究が,今後も活力を保って発展していくためには,周辺の学問領域の成果を踏まえつつ語学的な見地から文献資料と研究課題を発掘していく技法が継承されていく必要があることもまた疑いのないところである。
本シンポジウムは,如上の問題意識から,まずは,厚い研究成果の蓄積がある,中世の代表的な文献資料,すなわち,抄物,狂言台本,キリシタン資料のそれぞれについて,これらの「文献資料を読む」ことによって得られた知見を整理し,この知見の継承の意義を改めて問い直し,これからの日本語史研究につなげる道筋を求めて,自由に意見を交わしてみたいと思う。
パネリスト
岸本恵実(大阪大学)
堀川貴司(慶應義塾大学附属研究所斯道文庫)
大倉浩(筑波大学)
企画担当
山本真吾(東京女子大学)
米谷隆史(熊本県立大学)
(2021年12月30日掲載/2022年5月31日更新)